18日に最終回となる月9ドラマ「君が心をくれたから」。終盤の重要シーンの撮影のために2月末に再び長崎ロケが行われた。すでに聴覚以外を失っている雨ちゃん。2人の置かれている状況が去年のロケ時とは全く異なっているだけに、切なさを隠しきれずに撮影に臨んでいた。脚本家の宇山氏は最終回に向けて「雨と太陽が最後のひと時をどう過ごし、どんな言葉を伝え合うかを見届けてほしい」と話す。

「切なすぎる」思い出の水辺の森公園

10年前に「未来の約束」をした長崎水辺の森公園。最終回もここがロケ地の一つとなった。すでに味覚、嗅覚、触覚、視覚を失った雨ちゃん、最終回は車いすだ。学校から走ってやってきたあの公園。夕日をバックに「指切り」をしたのに…2人は切なさを隠し切れない様子だった。

山田裕貴さん(朝野太陽役):「前に来た時は手つなぎやったんだよ~」
永野芽郁さん(逢原雨役):「日下さんじゃなくて宇山さん(脚本家)にお願いしよう!」
宇山佳祐さん(脚本家):「もう書いちゃったもん」

(長崎水辺の森公園でのメイキングシーン:雨ちゃんは車いす)
(長崎水辺の森公園でのメイキングシーン:雨ちゃんは車いす)
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まさか君ここのロケが行われるとは知らずに来ていた公園利用者も、2人の姿を見かけてただただびっくり。遠くからロケを見守っていた。

「君が心をくれたから」の長崎ロケは多くのエキストラが参加した。対応にあたった長崎県観光連盟の佐藤壮氏は「長崎人の礼儀正しさにただただ感謝」と話す。キャストを間近で見たい気持ちをグッと堪えて静かに演技を見守る姿、マナーを守りながら陰でドラマを盛り上げる協力的な県民性のお陰で、より愛されるドラマになったと撮影スタッフも話している。

脚本家が「心惹かれた」公園

長崎水辺の森公園は脚本家の宇山佳祐氏が、長崎の街で登場させたいところはいくつかあった中でも個人的にとても気に入り、ドラマでぜひ登場させたい場所だった。「広々とした芝生とのどかな雰囲気と対岸の稲佐山や造船所の風景が素敵で、他に見たことのない風景に心惹かれた」と話す。

(長崎水辺の森公園 提供:(一社)長崎県観光連盟)
(長崎水辺の森公園 提供:(一社)長崎県観光連盟)

県民の憩いの場となっているこの公園。ドラマのシンボル的場所となり、県民にとっても新たな思い出の場所となったに違いない。

天候との闘い

2月末のロケ日は天気が今ひとつ…しかも予報より早く雨が降り出してしまった。すぐに雨をしのぐ対策が取られ、ロケは敢行。雨が必要な場面では雨が降らなかったり、雨でスケジュールが変更になったり…。

(メイキングシーン 天候との闘いだった長崎でのロケ)
(メイキングシーン 天候との闘いだった長崎でのロケ)

タイトなスケジュールの中で最終回の重要シーンの撮影は進んだ。最終回は2人にとっての長崎の思い出の地が再び登場する。

最終回「想い、想われることの尊さを感じてほしい」

ロケ後にテレビ長崎の特別番組の収録に臨んだ2人。ドラマ放送中にロケ地マップが完成していることに感激し、2人が住むこととなった東山手甲十三番館にある来館者が綴ったノートが手渡されると「嬉しい」としばし見入っていた。

(ロケ後に長崎での特番収録に臨んだ2人)
(ロケ後に長崎での特番収録に臨んだ2人)

そこで2人は最終回にあたってメッセージを伝えてくれた。

永野芽郁さん(逢原雨役):このドラマの素晴らしさを長崎の土地と人々に引き出していただいたと思っています。想い想われることの尊さ、誰かといることの幸せを感じる最終回になっていると思いますので、ぜひご覧ください。

山田裕貴さん(朝野太陽役):雨と太陽、2人が紡ぐ軌跡を演じてきて、“人生って1分1秒、なんて大切な時間が過ぎていっているんだろう”と思いました。僕も1分1秒も無駄にせずに、残りの撮影を頑張りますので、最終回ぜひ見守ってください。

脚本家「どんな言葉を伝え合うかを見届けてほしい」

脚本家の宇山佳祐氏も最終回にあたりコメントを寄せてくれた。

宇山佳祐氏(脚本家):脚本家が伝えたいことを口にすると、ご覧になる方々の想像力を制限してしまうかもしれないので、あまり多くを語ることはできませんが…。雨と太陽が最後のひと時をどう過ごし、どんな言葉を伝え合うかを見届けていただけたら嬉しいです。この物語が皆様の心の中に少しでも残り続けることができれば、作者としてこの上ない幸せです。

18日(月)の最終回、ハッピーエンドであってほしいとみんなが願っている。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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