ついに太陽君が真実を知ってしまった月9ドラマ「君が心をくれたから」。物語が佳境に入る中、ロケ地となった長崎は「ロケ地マップ」が完成し、マップ片手に聖地巡礼を楽しむ人が増えている。またドラマを通して当たり前の風景に改めて魅了された地元の人達も、ロケ地の魅力を思い思いの形で発信している。
心がリフレッシュできる景色・長崎
スマホを片手に撮影にいそしんでいるのは、長崎で活動するユーチューバーの大石孝志さんだ。
この記事の画像(14枚)撮影場所は長崎市東山手にある観光スポット・オランダ坂。第1話で雨ちゃんと太陽君が赤い傘を輝やかせて並んで歩くシーンとなった場所だ。
大石さんの職業はタクシードライバー。運転歴は20年だ。
長崎を知り尽くしたタクシードライバーならではの目線で2020年からYouTubeで長崎の魅力を発信している。そんな大石さんでさえこのドラマは長崎の風景のすばらしさを再認識させてくれたと話す。
例えば水辺の森公園の夕日、結の浜マリンパークの朝日。「角度を変えて、時間を変えて見るだけで心がリフレッシュできる景色だった」と興奮する。
放送が終わるとロケ地を探してスマホで撮影。YouTubeで君ここのロケ地やドラマの魅力を紹介し続けている。ここまでドラマの虜になったのはもう一つ理由がある。大石さんはエキストラとしてドラマに出演したのだ。
エキストラ出演中に大石さんが目の当たりにしたのは、テレビでは見えないスタッフの並々ならぬ苦労だ。
第1話の中島川の飛び石で雨ちゃんと太陽君が思わず抱き合ってしまうシーン。カメラマンは川に足をつけての撮影となった。11月下旬の寒い日にも関わらず、体を震わすことなくカットを撮り続けるプロ魂を目の当たりにし、また通行人が映りこまないように周辺に配置されたスタッフと無線でやり取りをするという団結力に感銘を受けたと話す。
「君ここワンダーランド」へ誘なう
長崎の魅力をこれだけ発信してくれているドラマを多くの方に知ってほしいとYouTubeでのドラマロケ地の配信をスタートさせ、今では韓国からもコメントがあるという。
大石さんは通常運賃で希望のロケ地へタクシーを走らせ、シーンのこだわりも伝えるという「君ここサービス」をしてくれる。長崎を知り尽くすタクシードライバーとして「君ここワンダーランドへ誘いたい」と意気込んでいる。
チーム長崎でタッグを組む「君ここ」
大石さんがエキストラ出演したシーンは第1話の中島川での精霊流しのシーン。撮影にあたった関係者いわく、3カ月にわたるロケハンで難題の一つだったという。
撮影スタッフから「長崎のお盆の伝統行事である『精霊船』を手配したい」と相談を受けたのは9月。船は行事終了後に燃やしてしまうため、当然ながらこの時期に現物はどこにもない。方々連絡を取り続けた末に展示用として保管していた企業を紹介してもらい、鉦(かね)や提灯(ちょうちん)などもお借りして撮影は無事成功。
長崎県民の協力なしでは放送できなかったドラマ「君ここ」。放送後も地元の良さを再認識した人たちが各種SNSを通じて広め続け、チーム長崎でタッグを組んで聖地巡礼につながっている。
マップ片手に聖地巡礼を
わずか2カ月で発行にこぎつけたロケ地マップ。2月20日現在、ながさき旅ネットからのダウンロードは約3万8000人におよぶ人気ぶりだ。4万部発行した冊子も問い合わせが相次ぎ、開催中だったランタンフェスティバルではマップを片手にロケ地を巡る君ここファンの姿もあった。
WEBマップも掲載され、QRコードを読み取るとグーグルマップにロケ地29カ所が表示される。スマホひとつで聖地巡礼ができるとあって好評だ。
長崎市をはじめ諫早市、大村市、西海市、佐世保市が掲載場所のロケ地マップでこれからの春の観光シーズン、雨ちゃんと太陽君になりきって長崎を巡る人でにぎわいそうだ。マップは「ながさき旅ネット」で案内している。
ながさき旅ネット 月9ドラマ「君が心をくれたから」スポット紹介サイト
きっと誰よりも幸せな今
2月26日月曜日よる9時からは第8話の放送。ついに触覚を失ってしまった雨ちゃんが次に失うのは視覚だ。やっと2人の想いが通じたのになぜ?と思わずにいられない展開だが、雨ちゃんと太陽君の「きっと誰よりも幸せな今」をしっかり見届けたい。
(テレビ長崎)