1カ月にわたって長崎ロケが行われた「君がこころをくれたから」のロケ地マップが完成した。ロケ地マップに掲載されたのは5市29カ所。永野芽郁と山田裕貴が長崎の風景に溶け込んだあの場所はどこを切り取っても美しい。放送中にどうしてもマップを完成させたかった関係者のこだわりが随所に込められている。

放送中にロケ地の答え合わせをしながら作成したマップ

完成したこだわりのロケ地マップ
完成したこだわりのロケ地マップ
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ロケ地マップを制作したのは長崎県観光連盟だ。2023年8月からロケハン、撮影に携わった。担当者はドラマの撮影中にロケ地マップを出すことを決めたという。撮影しながらロケ地マップを作るというのはかなりのイレギュラーだ。

一般社団法人長崎県観光連盟 国内誘致部 佐藤 壮さん:
長崎を美しく撮ってくれているスタッフの熱意を身近に肌で感じ、何かを形に残したかった。放送を見た時に日頃暮らしている街並みが映像の切り取り方でこんなに美しい街なのだと感銘を受けた。ドラマを見た人が「長崎に行きたい!」と思ったタイミングで聖地巡礼をしてほしかったので何としても放送中に出したいと思った

放送と並行してのマップ制作は時間との戦いだった。ロケハンで巡った場所は100カ所以上。撮影スケジュールをもとにロケ地をまとめたものの天候不良で急きょ変更・追加となった場所もあった。結局放送を見てロケ地の答え合わせをするしかなかったのだ。ドラマから一瞬も目が離せない状態で、毎回最低でも2回は放送を見て台本と照らし合わせてロケ地を確認する作業が続いた。

長崎がロケ地になったことへの恩返し

大事にしたのは「脚本に込めた監督スタッフの想い」だ。マップの写真に添えられた場面説明(キャプション)はすべて脚本にあるコメントから引用した。監督スタッフのそのシーンへの想いが凝縮しているからだ。佐藤さんはマップに長崎をロケ地として選んでくれたことへの恩返しの想いを込めている。

写真の場所説明は脚本に書かれたコメントから引用
写真の場所説明は脚本に書かれたコメントから引用

長崎のロケ地はすべてに意味がある場所なのだ。だから長崎人が見てたとえ位置関係にツッコミを入れたくなったとしても、つながったシーンは違和感がない。それどころかストーリーを盛り立てるエッセンスとなっていて、改めて日頃見慣れている地元の風景にうっとりさえしてしまう。キャプションに込められた想いを噛みしめながら、あのシーンを思い出して巡ってほしい。

ロケ地マップは4万部発行。長崎県内はJR長崎駅と佐世保駅、長崎空港、県外では東京日本橋にあるアンテナショップをはじめ福岡国際空港や神戸空港、西日本内高速道路の一部サービスエリアなどで配布されている。また長崎県観光連盟のホームページ「ながさき旅ネット」でダウンロードもできる。

佐世保の大パノラマは九十九島観光公園

今回は長崎市だけでなく、近郊の諫早市、大村市、西海市、そして佐世保市でもロケが行われた。長崎県の北部に位置する佐世保では涙の観覧車シーンとなった観光スポットハウステンボス、第2話で施設にいるお母さんに雨ちゃんが会いに行き電話で話すシーンでは、大パノラマの九十九島観光公園がロケ地となった。

第2話
第2話

「九十九島が大パノラマで見える場所」は監督からのオファーだった。いくつかロケハンを行った中で、九十九島観光公園は即決だったという。

九十九島観光公園「写真提供:(一社)長崎県観光連盟」
九十九島観光公園「写真提供:(一社)長崎県観光連盟」

佐世保港外から北へ25km、平戸瀬戸まで連なる大小208の島々を九十九島といい、島の密度は日本一と言われている。九十九島観光公園は約4.7ヘクタールの広大な芝生広場の丘「眺望の丘」から九十九島の大パノラマを見渡すことができるのだ。

(第2話)とにかく寒いロケだったという
(第2話)とにかく寒いロケだったという

ロケは12月。とても風が強くてとにかく寒かった。暖をとっていた山田裕貴さんが暖房機器に近づきすぎて、なんと髪がチリチリ燃えてしまうというハプニングが発生!現場にいたキャスト・スタッフ一同大慌てする一幕もあったという。そんな佐世保の撮影エピソードは佐世保市の「させぼ・おぢかの観光情報サイト」に掲載されている。

120キロの距離を1つのシーンにしてしまう風景の贅沢さ

九十九島観光公園がロケ地となったシーンは第2話。お母さんのもとへ雨ちゃん、太陽君、司さん、ばあちゃんが行き、お母さんの電話を受けるこのシーン。実は3つのロケ地をつなぎ合わせている。

移動シーンで使われた伊王島(長崎市)
移動シーンで使われた伊王島(長崎市)

お母さんがいた施設の場所とばあちゃんのお母さんのやりとりは長崎市、お母さんの電話を雨ちゃんが受けるシーンは佐世保市の九十九島観光公園、移動シーンに伊王島(長崎市)がロケ地として使われた。距離にして約120kmを1つのシーンでつないでしまうというこだわり。長崎の風景を贅沢に使ったドラマといっても過言ではない。ぜひ、そんなロケ地をくまなくマップ片手に巡ってほしい。今なら長崎市は中国の旧正月を祝う「長崎ランタンフェスティバル」が、佐世保市のハウステンボスは「100万本のチューリップ祭り」開催中という、長崎ならではの異国情緒満載のタイミングだ。

ついに真実を知ってしまう太陽君

2月19日(月)放送の第7話は雨ちゃん太陽君が一緒に暮らし始めて幸せが訪れたのもつかの間、ついに太陽君が真実を知ってしまう…涙なしには見られない展開になりそうだ。お願いだから幸せになってほしい。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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