ドラマも佳境に入り、ロケ地となった長崎は聖地巡礼をする君ここファンが日を追うごとに増えている。ドラマに登場した「恋ランタン」は完売、雨ちゃんの長崎の住まいは連休中には長蛇の列で2月は過去最高の入館者を記録。「君ここ現象」で素敵な奇跡が起き続けている長崎。そんな中、ロケ地マップには載っていない「新たな巡礼地」が誕生したのをご存じだろうか。
九州で利用者トップクラスの「九州号」
第1話で雨ちゃんが太陽君に黙って長崎を離れようとしたシーン。乗るはずだったのは白地に赤とエンジ、グレーのラインの高速バス「九州号」だ。ドラマでは深夜0時に、花火があがる「おのうえの丘」を出発しようとしたが、時間も乗車場所も架空の設定。長崎人は突っ込みを入れずにはいられなかったが、「あ、九州号だ」と思った人は多かったに違いない。
それもそのはず、1966年から長崎ー福岡間を走っている高速バス「九州号」。白地に赤とエンジ、グレーのラインのボディはかれこれ30年ほど変わっておらず、多くの人になじみのバスだ。週末には43往復86便運行、年間50万人を乗せて走る九州号は、九州の高速バスの中で利用者数はトップクラスを誇る。
満を持して新車で登場！
ドラマスタッフから「九州号を夜行バスとして使いたい」と直接オファー。ロケハン中に走っている九州号を見たスタッフがカラーリングに目を引き、調べ当ててオファーにたどり着いた。10月、九州号は新車を納車した。ドラマ撮影は12月。「新車の納車はドラマのためだったのか?!」と言わんばかりのタイミング。「新車・九州号」は撮影1週間前から営業所で待機させ、満を持して登場したのだった。
九州号マニアの間でさっそく「君ここに九州号が登場！」と話題になった。ナンバーも映っていたため、「君ここに登場した九州号を福岡・天神で見かけた」とSNSに投稿されるなど、ひそかな話題になっている。
新たな巡礼地は「バス停」福岡にも！
ドラマで使われたバス停はスタッフ手作りで東京から持ってきた。もちろん「長崎ヨットハーバー前」というバス停は存在しない。下の広告もすべて作り物。「九州号愛」はドライバーもとっても深く、「バス停を九州号がドラマに登場した思い出にしたい！」と考えた。ドラマスタッフにお願いしてバス停に貼ってあったパネルを譲り受けることに成功した。バス停の土台を業者に依頼して、譲り受けたパネルを貼り合わせ、あのバス停が完成！このほど九州急行バス長崎支社にお目見えしたのだ。
ロケ地マップには載っていない新たな聖地巡礼スポットになればと、写真を撮ることもOKだという。ただし、バスを待機させるための営業所なので、「安全に配慮してお越しください」とスタッフは話している。
ちなみに「長崎行」のバス停も福岡営業所にある。写真撮影OKだ。
シートポケットには「ロケ地マップ」
現在運行中の九州号のすべてのシートポケットには「ロケ地マップ」が入っている。長崎や福岡・天神のバスターミナルでもロケ地マップを配布。すぐになくなってしまう人気ぶりだ。九州号に乗ってロケ地マップを片手に聖地巡礼をする際には、「バス停」に足を延ばしてみてはいかが？
もう一つのバス「長崎県営バス」は3日前にオファー
第1話で登場したバスがもうひとつある。真っ赤なバス「長崎県営バス」だ。雨ちゃんが乗ったバスを太陽君が追いかけるシーンで登場した。実はロケの3日前に長崎県営バスに打診があったという。これがなかなかの難題だった。車内外に広告の掲載はNG。通常バスが走らない細い道をロケのために貸切で運行させるため、運輸局へ「貸切」として登録をする必要があった。道幅に合った広告の掲載がない小型のバスが見つかり、ギリギリで貸切の登録を済ませた。ところが！数年前に貼っていた営業用のシールが車内に貼り残されていたことが判明！前日に手作業でシールをはがす作業を行い、なんとかロケに間に合ったという。
いつか見る景色のために
3月4日月曜日は第9話の放送。1カ月だけ嘘の「結婚」をした雨ちゃんと太陽君。とっても切ない2人だけの結婚式だった。案内人「千秋」の正体もわかり、奇跡を信じてやまないが…この先2人が見る景色が幸せなものであってほしいとみんながテレビの前で祈っている。
（テレビ長崎）
