山形県議会の農林水産常任委員会は3月13日、新年度当初予算案を否決した。県産果物の情報発信拠点を整備する事業に対し、最大会派の自民党が効果や進め方を疑問視したためで、予算案が否決されるのは県議会では初めて。
約4800万円の事業費を計上
山形県は、県産果物の情報発信を強化するため、寒河江市に拠点となる「フルーツ・ステーション」を整備し、あわせて県内各地にも拠点を設けてネットワーク化を図る考え。

新年度の当初予算案には、事業者の公募やネットワーク化の調査検討などのため、約4800万円の事業費が計上されている。
一方、県議会の最大会派・自民党からは、県内の農業に及ぼす効果や事業の進め方を疑問視する声が上がり、会派として13日朝、否決する方針を固めた。
何回も何回も「説明」とだけ…
こうした中、13日午後に行われた農林水産常任委員会の採決では、事業に反対する自民党の議員から次のような意見が上がった。
自民党・鈴木学議員:
集客に対しての試算根拠が大変あいまい・不明確であり、目標値も定められていないことから、事業実施に伴う明確な波及効果がどれだけあるか、まったく見通せない。このことから、フルーツ・ステーションにかかる予算に反対します

自民党・石塚慶議員:
当初の議論から寒河江ありきで、未来の事業と足元の事業の同時解決に至っていないのが大きな問題。事業者を公募していく部分の予算に反対します
委員会は自民党議員が過半数を占めていて、予算案はそのまま否決された。
議会事務局によると、県議会で予算案が否決されるのは、本会議と委員会を通じて戦後初めて。

自民党県連・森谷仙一郎幹事長:
この1年間、常任委員会でいろいろな議論をしている。そういう中において、委員のメンバーもいろいろな意見を出している。それに対し歩み寄りの姿勢もあってもよかったのかと思う

吉村山形県知事:
フルーツ・ステーションについてご理解いただけず、否決になったと報告を受け、大変残念に思っている。1つの事業だけに完璧を求めて、何回も何回もずっと「説明・説明」とだけ言っているので、ちょっと私としてもどうなのかな…と思います
新年度予算案をめぐっては、自民党が15日、フルーツステーション事業に関わる予算を削った「修正動議」を本会議に提出し、審議される予定。
(さくらんぼテレビ)