南陽市で、観光する際の交通手段として、電動の車いすを導入できないかを探る実証実験が行われた。
南陽市では、観光の発着点となるJR赤湯駅と、主要な観光地の赤湯温泉街までが約1.7キロ離れていて、2次交通の整備が大きな課題となっている。
こうした中、高齢者や障害のあるへの旅行支援などを行う社団法人や、市の観光協会で作る共同体が操作が簡単な電動の車椅子の観光利用を目指し、検討を重ねてきた。
きょうは、赤湯駅から温泉街までを実際に電動の車いすで移動する実証実験が行われ、自動走行システムなど工業系の分野に関心がある南陽高校の2年生3人がモニター役を務めた。
操作方法を教わった生徒たちは約30分かけて赤湯温泉街へと向かい、乗り心地やスピードのほか、段差や坂道での安全上の課題について探った。
体験した高校生
「坂道で急ブレーキすると、前のめりになってしまう。体幹が弱い方もいると思うので、シートベルトがあったらいいと思った」
「(こちら側が)車から見えづらくて危ないところもあった。そこは課題だと思う。段差がスロープに変わったり、(座った目線からも)見やすい看板が増えたらいいなと思う」
事業を進めている「赤湯駅拠点事業共同体」によると、電動車椅子は来月1日から、赤湯駅でレンタルを始めることが決まっている。
共同体では、分かった課題の改善を進めると共に、実証実験をさらに行いより快適な利用ができるよう取り組みを進める。