東京・渋谷区に点在するユニークな公共トイレ「THE TOKYO TOILET」。これを巡るユニークなツアーが3月2日に始まった。

それが、渋谷区観光協会と空港送迎用のエアポートシャトルを中心に展開している株式会社「NearMe」が共同で企画した「THE TOKYO TOILET SHUTTLE TOUR」で、区内17カ所にある「THE TOKYO TOILET」をオンデマンドタクシーで巡っていく。

ツアーで巡るトイレは、安藤忠雄氏や隈研吾氏、佐藤可士和氏らの有名な建築家やクリエイティブディレクターが手掛けている。2023年3月に17カ所すべてのトイレの設置が完了した。

恵比寿駅西口公衆トイレ(撮影:永禮賢、提供:日本財団)
恵比寿駅西口公衆トイレ(撮影:永禮賢、提供:日本財団)
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どのトイレも個性的で、例えば、「七号通り公園トイレ」(幡ヶ谷)は、全ての行動を音声で行うボイスコマンド式となっていたり、「はるのおがわコミュニティパークトイレ」(代々木)は、トイレに人が入っていない時は透明だが鍵をかけると不透明になる。

はるのおがわコミュニティパークトイレ(撮影:永禮賢、提供:日本財団)
はるのおがわコミュニティパークトイレ(撮影:永禮賢、提供:日本財団)

ツアーは毎週木曜と土曜の週2回の運行で、コースは「恵比寿駅西口公衆トイレ」や「神宮通公園トイレ」など渋谷区東部8カ所を巡る東コースと「鍋島松濤公園トイレ」や「七号通り公園トイレ」など渋谷区西部の9カ所を巡る「西コース」があり、値段はいずれも4950円(税込)だ。

興味深いツアーだがなぜこのような企画したのか? また、始まったばかりだが参加者からはどんな感想があるのか?株式会社「NearMe」の担当者に詳しく話を聞いてみた。

トイレは日本が世界に誇れる文化の象徴

――なぜこのツアーを企画した?

観光資源が他の自治体に比べると少ない渋谷の課題がある中、世界で唯一の「THE TOKYO TOILET」は渋谷の大切な観光資源と捉えています。トイレは日本が世界に誇れる「おもてなし」の文化の象徴であり、性別、年齢、障害を問わず誰もが快適に利用できるというのは渋谷が掲げる「ダイバーシティ」のシンボルでもあり、渋谷を感じ楽しんでもらえる観光ツアーとして設計しました。

また「THE TOKYO TOILET」や「THE TOKYO TOILET SHUTTLE TOUR」を通じて、きれい、かっこいい、清掃員の仕事というところだけでなく一人でも多くの方が社会変革の可能性や意義を感じ、それぞれの立場で何かを感じてもらえる取り組みとなってほしいと思っています。


――ターゲットはどんな人?

主に外国人観光客向けです。地域の方や国内からの来街者ももちろん楽しんでいただけるツアーです。


――17カ所の公共トイレの中で、特に見てほしいトイレはある?

どれも個性があり1つに絞りきれません。また建築が好きな方、クリエイターのファンの方、ファッションが好きな方などみる目線によっておすすめや注目度も変わると思いますのでみていただく方が各々に個性豊かなトイレを見ていただき色々と感じていただけたらと思います。

神宮通公園トイレ(撮影:永禮賢、提供:日本財団)
神宮通公園トイレ(撮影:永禮賢、提供:日本財団)

――ツアーにはガイドはいるの?

専門知識を持ったガイドはおりません。インバウンドのお客様向けに言語のサポートをするため、またタクシーの降車場所からトイレまで少し歩くこともあるためそのサポートとして1名ボランティアの方に乗車いただいております。

参加者の声「ニッチな感じが良かった」

――現在、応募はどのくらいある?

反響は多くはないですが、一定数予約はあります。「THE TOKYO TOILET」の清掃員の日常を描いた映画「パーフェクトデイズ」の効果もあってか全国から申し込みがあります。


――参加者の感想は?

以下のような声をいただいております。

・いつもとは違う渋谷を楽しめるツアーで、ニッチな感じが良かった。
・大変面白かったです。実際に回ると、車で移動できてスムーズに回れて、自分ではこれはできないなーと思ったので、満足です。



まだ始まったばかりだがツアーに参加した人たちは楽しんでいるようだ。ツアーは毎週木曜日と土曜日に行われているので興味のある方は参加してみてもよいかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。