3月1日、長野県小諸市の上信越道で起きた車など48台が絡む多重事故は、濃霧が事故の一因とされている。走行中、濃霧に遭遇したらどう注意すればいいのか。JAF・日本自動車連盟に聞いた。
上信越道で多重事故
小諸インターチェンジと佐久インターチェンジの間の2キロほどの範囲で約20件発生し、事故車両は48台に。
1人が死亡、13人が重軽傷を負った。

霧で前見えず
事故直後の現場を通った車のドライブレコーダー。霧で前の見通しが悪いのが分かる。
事故に遭遇した運転手は、「霧がすごくて、前方20~30mくらいの視界で、これはやばいなと」、「前が見えないから、どんどんぶつかっていったんじゃないか」と、当時の現場の状況を話す。

また、玉突き事故に巻き込まれた男性は、「自分は発煙筒が目に入ったから右車線に逃げたが、止まった所へ後から大型トラックが突っ込んできて、自分も前の車を押しちゃって。霧でほとんど視界が見えなかった。ドーンって感じで、強い。前の人が大けがしちゃって。はじめてこんなことになったから」と話し、のちに恐怖感が強まってきたという。
警察も、霧が今回の事故の一因になったとみて調べている。

速度落とし、車間距離を
もし、運転中に濃霧に遭遇したら、どう注意すればいいのか。
JAF長野支部の吉川瑠美さんは、「一番大事なのは危険が発生したら即座に速度を落とす。霧の時、一番怖いのが今回のような追突事故。車間距離を多くとるというのが注意点」と話す。

下向きのロービーム
もう一つ大事なのがライト。最も有効なのは、霧の中でも視界を確保できる「フォグランプ」だが、装備されていない場合は、ヘッドライトのロービームを点灯してほしいという。
吉川さんは、「霧が壁のようになって乱反射してしまう特徴があるので、ハイビームにすると逆に視認性が落ちてしまうので下向きのロービームを使ってほしい」と説明する。
テールランプ
後続車に存在を示すことも重要だ。
JAFが行ったテストでは、霧の中で25メートル先の車の見え方を確認すると、無灯火よりも、テールランプを付けている方が見えやすいのがわかる。

ブレーキランプも有効
後部のフォグランプやテールランプのほか、ブレーキランプも有効だと言う。
吉川さんは、「ブレーキランプも『ポンピングブレーキ』という形で何回かに分けてブレーキを踏むとチカチカと点滅するので、視認性も向上する」と、アドバイスする。
四方を山に囲まれ、標高も高いため、霧が発生しやすいとされる信州。
普段の運転から、注意点を意識することが大事だ。

(長野放送)