国民の不満が渦巻く自民党の裏金問題。「裏金」は課税対象になる可能性があるが、鈴木財務相が「納税は議員が判断」などと発言。SNS上では「納税は義務ではなくなったらしい」などの声が上がり「#確定申告ボイコット」が拡散された。確定申告が始まる中、県民の不満・怒りも高まっているようだ。
政治家との不公平感に怒り
確定申告をした県民(80代):
「真面目にやる人がばかみてるわ、腹立たしい」
確定申告をした県民(70代):
「ずるいと思いますね。自分たちの都合の悪いことはうやむやにして、法律つくる人がそういうことされたのでは、私たちは本当に怒り心頭です」
長野市の確定申告会場。納税を巡る政治家との不公平感に怒りの声が聞かれた。

関係議員の辞職求める集会も
自民党の派閥による政治資金パーティーの裏金問題。派閥から議員に渡った総額は10億円を超えるとされ、一部の議員や会計責任者が刑事処分された。
さらにー。
自民党・若林健太衆院議員:
「正直あいまいな資金として管理されていたものであり」
県内選出議員を含め安倍派所属の99人のうち、77人が政治資金報告書を訂正する事態となった。

集会:
「裏金議員には退場していただけるよう、みんなの力を合わせなければなりません」
松本市では関係議員の辞職など求める集会も開かれた。
信州大学・又坂常人名誉教授:
「明確な法令違反、違法な行為です。政治家はまず道義的な、あるいは政治的な責任だけは取ってほしい」

怒り、不満…「納税は議員が判断」
不満や怒りが渦巻く中、火に油を注ぐ発言がー。
2月22日の国会。政治資金は非課税だが、「裏金は課税対象になるのでは」と調査を求めた野党議員に対し、鈴木財務相はー。
鈴木俊一財務相:
「納税をするという方が、もちろん可能性はあると思います。それは疑義を持たれた政治家が政治責任を果たす、そういう観点から判断されるべきもの」
「追加納税するかは議員の判断による」と受け取れる発言をしたのだ。
これにSNS上では「納税は個人の自由だったのか」「納税は義務ではなくなったらしい」との声が上がり「#確定申告ボイコット」が拡散された。

立憲民主党・大西健介衆院議員:
「『脱税は犯罪、脱税者は見つかる』『査察官は見つける』鈴木大臣、このポスターがまさに今、確定申告で税務署に行くと張ってあるわけですよ。真面目に納税するのはばからしいと思うのは、当然じゃないかと思います」

「真面目がばかを見る」
2月16日から始まった確定申告。長野市の会場には28日も多くの県民が訪れていた。
確定申告をした県民(70代):
「収入書かない、支出も書かない、そんなお金があっていいのかと。法律をつくる連中が勝手にね、抜け道をつくっているのが良くない」
「われわれはきちんと納めているのにうやむやにされるのは納得いかない」

県民はー。
30代:
「私たちは個人の判断で納税するかなんて決められないじゃないですか。それをえらい方たちが、そんなふうにおっしゃってしまうと、真面目に納税している私たちのことを考えていないのかなと」
70代:
「政治家はお手本にならないといけないのに悪い見本ですよね。お手本になるような自分の処し方、税金納めるか、自分で役職を辞めるか、目覚めてほしい」
60代:
「こっちはコツコツと少ない収入に対してでもまじめに納税している身ですから、しっかりやってもらいたい」
国民の不満・怒りに岸田首相はー。
岸田文雄首相:
「改めて国民の皆さんの厳しい目を強く感じているところである」

(長野放送)