26日、福岡県みやま市の市立小学校で、男子児童が給食をのどに詰まらせ、その後死亡した事故を受けて、奈良市立の小学校と中学校では、「うずらの卵」の使用を当面の間控えることが決まった。
■給食で「うずらの卵」をのどに詰まらせ窒息か 7歳の児童が死亡
6日午後、福岡県みやま市の市立小学校で、1年生の7歳の男子児童が、給食をのどに詰まらせ、担任教師が、背中をたたくなどの応急処置を施したが、吐き出すことができず、搬送先の病院で亡くなった。 男子児童は、給食の「みそおでん」の具材として入っていた直径2センチほどの「うずらの卵」をのどに詰まらせ、窒息したとみられている。
■奈良市では給食で「うずらの卵」の使用を当面控える
この事故を受けて奈良市教育委員会は、市立小学校と中学校の教師や職員に向けて「口に含みすぎないようにする。早食いは危険であることを指導する」「嚥下能力には個人差があるので、個別対応が必要な児童生徒について、全教職員で共通理解を図る」といった窒息を未然に防ぐために気をつけておくべきポイントを通知したほか、「うずらの卵」の使用を当面の間控えることを決めた。
■もちや団子、パンなども窒息事故が起こりやすい食材
また、奈良市教育委員会は、もちや団子など「粘りの強い食材」やパンなど「水分の少ない食材」は窒息事故が起こりやすい「特に注意が必要な給食食材」として注意を呼びかけている。
具体的には、2月29日(木)に提供予定の「ダッカルビ」に使用する「トッポギ」や、3月11日(月)の献立にある「やかもち鍋」に使用する「白玉もち」が、窒息事故が起こりやすい食材に該当するとしている。
■窒息を防ぐために「よく噛んで」
奈良市教育委員会がまとめた「窒息事故防止の留意点」は以下の通り。
1.給食時間は、学級担任等は児童生徒の様子を注意深く観察する。
2.食べ物は箸などで食べやすい大きさにする、口に含み過ぎないようにする、よく噛んで食べるなど工夫して食べるよう指導する。
3.早食いは危険であることを指導する。
4.口に食べ物を入れたまま話をする、驚かせる、立ち歩くなどをしないで、落ち着いて食事ができるよう日頃から指導する。
5.咀嚼及び嚥下の能力には個人差があるので、個別対応が必要な児童生徒の場合は全教職員で共通理解を図る。
6.特別な支援が必要な児童生徒については、食べやすい姿勢の保持、一口の量や食事援助の仕方の工夫、食事前や食事後の様子を観察するなど安全な指導を行うよう留意する。