いまや個人の趣味にとどまらず、企業の広報や宣伝のツールとして欠かせないSNS。
そんな中、高知市の高知中学高校の公式TikTokが大バズり。その秘密に迫った。

大バズりの仕掛け人は踊る学校の先生

ひとりの生徒が踊り始めたのをきっかけに、教室の生徒全員が、そして教師も一緒に踊るなんともユニークなショート動画。
再生回数は、なんと347万超え。

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制作したのは高知市にある高知中学高校。
少子化が進む中、生徒数の確保やPRを目的に、学校は2021年にインスタグラムとYouTubeを開設。部活や学校行事の紹介を始めた。

2023年6月にはTikTokで15秒程度の短い動画の配信をスタート。10月にはダンス部のメンバーに声をかけて作ったダンス動画が大バズり。
多いものは再生回数390万回を超え、今、注目されている。

この動画の仕掛け人が、広報担当の秦泉寺力仁教諭(35)。

動画がバズった理由について、秦泉寺教諭は「ギャップですかね。学校の先生が踊るって多分イメージない」と話す。

妻の指導を受け…夜な夜な猛練習

秦泉寺教諭は高知中学高校の卒業生で、今は高校で国語を教えている。
学生時代は野球部に所属し、現在は中学野球部の指導も行っている。

ーー「ダンス経験はない」とのことだが、先生のダンスがキレキレで…。

高知中学高校・広報担当 秦泉寺力仁教諭:
ほんと素人なんですけど僕、全然。家に帰って嫁と子どもが寝てからひとり、リビングで夜な夜な(練習して)ですね。

よさこいのインストラクター経験がある妻の細かい指導を受け、猛練習したという。

2月9日には、秦泉寺教諭が生徒と相談しながら、新たな動画の撮影をしていた。

この日、初めて動画撮影に参加したのは、先生にスカウトされた高校1年生の3人。ダンス部ではないが、踊るのが大好きな今どきの女子高生。

この“大バズり”をどう感じているのか…。
撮影に初参加した生徒たちに話を聞くと、「先生すごいなって思います。生徒と全力で踊りゆうところとか」「家族や友達から『TikTokやインスタ見たで』って言われてうれしい」と笑顔で答えた。

――学校が注目を浴びるのは?

撮影に初参加した生徒(高1):
もっといっぱい、人来てほしい。学園(高知中高)のいいところ、いっぱい知ってもらって、楽しんでもらいたい。

学校だけでなく地元も盛り上げたい

PRのかいもあってか、2023年12月に開かれた入試説明会の参加者数にも変化の兆しがあった。

高知中学高校・広報担当 秦泉寺力仁教諭:
10倍、20倍になったわけじゃないですけど、少し人数も増えたなっていう。「それ(SNS)を見て受験しました」というような話もちょこっと耳には(しています)。

SNSの一番の目的は、学校の魅力をPRすること。
しかし、秦泉寺教諭にはもうひとつ大きな目標があるという。

高知中学高校・広報担当 秦泉寺力仁教諭:
地元の企業でもSNSで発信されている企業ってたくさんあると思うので、コラボできたらいいなって。その企業にうちの生徒がいくことによって、“プチインターンシップ”みたいな。
子どもたちの経験であったり、人生のプラスに、少しでもプラスになるような活動ができたらいいなと。

若い世代の流行を捉え、体を張ってPR。
学校だけでなく高知を盛り上げていきたいと意気込む広報担当の挑戦は続く。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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