2月14日以降の大阪の気温が高くなるそうだ。 暖冬ならではの影響や心配事について気象予報士の片平敦さんに解説してもらう。

まだ2月だが、すでに春のきざしがやってきている。

今週の気温は、平年よりもかなり高くなっていて、13日も暖かかったのだが、14日、15日はなんと4月上旬並みの気温となり、2カ月ぐらい先の気温を先取りするような状況になりそうだ。 季節外れの暖かさが与える、各地への影響を取材した。

■2月なのに雪がなくなるかも…行政もスキー場を支援

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兵庫県養父市のハチ高原スキー場にやってきた。2月といえば、まだまだスキーのベストシーズンだが…。

ゲレンデ女性客:めっちゃ暖かくて、スキーウエアいらないぐらいなんですけど、日焼けがやばくて。

ゲレンデ男性客:あったかいっすね。上の方は(雪)カチカチなんですけど、下の方はシャリシャリで滑りづらい。

スキー場なのに暖かい。13日は、兵庫県北部の豊岡市で今年最高となる最高気温17℃を観測した。 さらにこのスキー場では、今シーズンから人工造雪機の使用をやめていて、このままでは近いうち、雪がなくなってしまうかもしれない。

鉢伏開発観光ハチ事務所 西坂智所長:この季節とは思えない暖かさ。やはりことし積雪が少ないんで、明日から(さらに)気温が上がると、非常に雪の量を心配しています。

兵庫県の斎藤知事は13日視察を行い、スキー場への支援を決定した。観光客の確保のため、行政も対応に追われている。

兵庫県 斉藤元彦知事:兵庫県にとってスキー産業は宝物。スキー場だけじゃなくて、ホテル・旅館、土産物、交通とか、裾野が広い産業。兵庫県がしっかり応援していくのが、すごく大事だと思ってます。

■家電量販店では暖房器具セールが始まり、早くも扇風機の問い合わせも

街では、もうコートを手にもって歩く人の姿もちらほら。
「あまりにも短い冬」は、経済にも影響を与えている。

記者リポート:こちらの家電量販店では、例年よりも早い時期から、暖房器具のセールを始めました。

暖冬の影響で、暖房器具が売れないため、商品を40%~50%ほど値下げするセールを2週間前倒しにした。

ジョーシン日本橋店エアコン担当 三上法生さん:年々暖冬が続いているので、去年と比べても(暖房器具の売り上げは)減少傾向。5%~10%の減少傾向はどうしても。

さらに、まだ2月にもかかわらずこんな問い合わせも…。

ジョーシン日本橋店エアコン担当 三上法生さん:数日に1回ぐらい『そろそろ扇風機入ってきますか?』という問い合わせはある。早く入ってくる予定にはなっています。

■イチゴがすくすく成長…農家は行楽シーズンに合わせる対応に追われる

あまりの暖かさに京都府八幡市の農園では、みんな大好きなイチゴがグングン成長している。

おさぜん農園 松崎健太さん:暖冬の影響もあって色がついて,、赤くなっていくのが早いですね。

例年だと1週間かけて色づくイチゴがことしは、わずか4日ほどで赤く実っている。いい話のようにも聞こえるが、実は問題もあるそうだ。

おさぜん農園 松崎健太さん:理想をいえば、ゆっくり赤くなってくれた方が、その分糖度は光合成されるので、甘くなるので、ゆっくり赤くなってくれた方が甘くはなるかな。

また、いちご狩りのピークを春の行楽シーズンに合わせたいところだが、このままだとその頃にはイチゴがなくなっているという可能性もあるそう。そのため農園では、イチゴの成長スピードを調整しようと対応に追われている。

おさぜん農園 松崎健太さん:このハウスの横が、開くようになってるんですけど、通気をよくしたり、ハウス内に温度がこもらないようにして、ハウス内が暑くなりすぎないように、対策したりとか。(Q.駆け足で赤くなるのはイチゴ農家としては?)お客さんにおいしいイチゴを食べていただきたいので。

■今後の気温の見通しは…このまま春に?

春の気配が早くも多くの人に影響を与えているが…、このまま春になるのだろうか? 気になるこれからの気温について教えてほしい。

気象予報士 片平敦さん:大阪の予想ですが、まず13日も暖かくて、3月並みでしたが、14日、15日は18度という予想で、これは4月上旬並みです。その後、ちょっと寒くなりますが、それでも13度、14度で、2月の気温としては高めです。さらにその後、日曜、月曜、火曜と18度、19度ぐらいということで、4月並みの暖かさがこの先、週末、週明けにかけても続きます。

ずばり冬はもう終わりですか?

気象予報士 片平敦さん:ずばり。おそらく寒い日はあります。だけど基本的に昼間は気温が高い日の方が多くありそうなので、どちらかというと冬の底は脱して、むしろ春がだいぶ早くやってきているという感覚です。

最高気温が1桁台という日はあまりないですか?

気象予報士 片平敦さん:あまりないと思いますよ。普通は2月の終わりぐらいまでありますけど、基本10度を下回る日って、そんなに考えられないのではないかという気がします。15日、16日もしかしたら南風が強く吹いて、春一番になる可能性もあります。

■去年より1カ月早い「春一番」が吹くかも

まだ2月だが、春一番って適当に言っているわけではなく、ちゃんと基準がある。

近畿地方の場合、
1.強い南風。
2.平年か前日よりも気温が高い。
3.日本海に低気圧
4.立春(2/4ごろ)~春分(3/20ごろ)

気象予報士 片平敦さん:風速は8メートル以上と決められていて、時間は何時でも構いません。夜中に吹くこともあります。気象台の営業時間が終わってからだと、次の日になって昨日吹きましたということもあります。期間が、立春だいたい2月4日頃から、春分3月20日頃の期間に吹かないと、早くても遅くてもダメ。春一番ですから、4月に吹いても一番じゃないよね、もう春だよねですし、1月に吹いたら、まだ春とは言えないよねということ。この期間に、条件が満たされなかったら、今年は春一番、残念ながら締め切りが過ぎてしまいました。吹きませんでした。という年もあったりします。去年は3月12日だったので、今年もし14日、15日で吹いたら、1カ月ぐらい早い春一番になるということです。

ここで視聴者からLINE質問が来ている。

‐Q:ダウンコートはクリーニングに出しても大丈夫?
気象予報士 片平敦さん:まだ寒い日は、特に朝晩あるので、全部冬物しまったら、ちょっとあかんかなって気はします。だけど昼間の時間帯に、凍える寒さはそんなになさそうなので、何度も小分けにするのであれば、1番暖かいダウンコートはもう出してもいいかな。全部はやめてくださいよ。春物にチェンジしていくのも、そろそろありなのかなっていう気がします。

■スギ花粉の飛散状況、今年は早い、やや多い、長い

暖かくなってくると花粉症の方が気になるのがスギ花粉だ。花粉の飛散状況はどうなのだろうか?

気象予報士 片平敦さん:予想では、飛び始めは今月中旬です。もう中旬ですので、もう飛んでますし、花粉情報で少ないとお伝えしても、飛ばないとは言っていませんので、少ないながらも全く飛ばない所から、だんだん増えてきて、おそらくここ数日で本格飛散で、気温がぐっと上がってくる14日、15日ぐらいからは地域によっては、いよいよ一気にたくさん飛ぶということもありえます。ピークが来月の上旬から中旬にかけて、飛散量はいつもの年よりもやや多めという予想です。情報を勘案すると、飛散期間は長い。要するに、飛び始めるのが早い上に、在庫を消費するのに時間がかかるので、後ろも結構伸びてしまいます。

飛散期間も長いということで早めの対策が必要なのではないか?

関西テレビ 加藤報道デスク:気になるデータがあるのでご紹介したいのですけど、ロート製薬が調べたところ、子供の花粉症が10年前に比べて10ポイントも増えています。4割の人が花粉症と診断されるようになったそうです。その子どもに症状があることを、親が知らないというケースも3割ぐらいあるそうです。というのも、時期が早くなっているので、風邪との見分けがつきにくい。まずポイントは目のかゆみだそうです。目がかゆいと言いだしたら、花粉症かもしれないと思って、一度調べられるのもいいかもしれません。

 (関西テレビ「newsランナー」2024年2月13日放送)

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