”カスハラ”という言葉を聞いたことはあるだろうか。
カスハラとは、カスタマーハラスメントの略。
従業員に対する客や取引先からの暴言や過剰な要求といった迷惑行為”カスハラ”を防止するため、全国で初めての条例制定の動きが出てきた。
”カスハラ”から働き手守る
顧客から理不尽な要求やクレームを突き付けられるカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラ。

受けた経験のある人に話を聞いてみた。
「客に『(皿を)変えてください』と言われて変えたにも関わらず、また呼ばれて『これ何?』 というのを3回くらい繰り返した。最終的にキレられた。店のために対応したが、こちらも人間なので心がやられた」(飲食店でカスハラを経験した人)
さらに個人情報を繰り返し聞かれるなどの迷惑行為もあったという。
「『個人情報教えて』『仕事終わった後会えない?』と客から言われた。断っても断っても同じこと聞かれて大変だった」(飲食店でカスハラを経験した人)
全国初の条例制定を道議会が検討
札幌市は市民からの意見の窓口となる広聴部門の職員を対象に、2023年1月に内部調査を実施。
回答した職員のほぼ全員がカスハラを受けたことがあり、その7割が強いストレスを感じたとしている。

こうした状況を踏まえて、道議会の自民党会派は、カスハラの防止に向けた条例の制定を検討している。
北海道内の働き手を守り、人手不足に歯止めをかけるのがねらいで、成立すれば全国初だ。
今後、罰則の検討や道に基本方針の策定を求めることも視野に入れて、年内の成立を目指している。