北海道北広島市に「北海道ボールパークFビレッジ」が開業してから3月で1年。

さまざまな楽しみ方が生まれた。

「Fビレッジ」開業から1年

野球にグルメ、そしてキャンプ。

目標の年間300万人を超える約350万人が訪れた。

民間の調査会社によると「Fビレッジ」がもたらす経済効果は、北広島市で年間約500億円。

北海道全体では約1000億円と試算されている。

しかし、ボールパークの仕掛け人の前沢賢さんは現状に満足していない。

ボールパークの“仕掛け人”が語る未来予想図

「計画の進み具合は約30%。今の倍の年間700万人くらいには来てもらわないと、われわれのビジネスとしては目指していたところには行かない。バリューアップしてやっていくことを意識している」(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 前沢 賢 取締役)

年間700万人の来場者。

これは北海道新幹線が開業した2016年に、函館市を訪れた観光客約560万人を上回る数字だ。

その達成のため、新たな取り組みが次々と生まれている。

グラウンドでフォトウェディング

結婚衣装に身を包み記念写真を撮影する。

グラウンドでの特別な体験も。

この日、撮影に臨んだのは、大の北海道日本ハムファイターズファンだという夫婦だ。

「ドキドキした。雰囲気に圧倒された。2年くらい待って、ようやく夢がかなってうれしい」(斉藤 祐愛さん)

プランによるが、費用は50万円から。

野球やイベントが行われない早朝の時間帯を有効活用する新たな取り組みだ。

学校や企業の研修などでも利用

この他にも、まだある。

VIP来場者のための「ダイヤモンドクラブラウンジ」。

普段は入ることができない特別な場所で、意見を交わす高校生たち。

テーマは「高校生が訪れたくなる球場」づくりだ。

このような学校や企業の研修なども、試合のない日に頻繁に行われている。

「写真を撮ってSNSにあげる人が多いので、フォトスポットをもう少し作った方がいい。SNSを主体に女子高校生は情報収集をするので」(参加した高校生)

若者のアイディアで新しい球場をともに作り上げる。

このように、さまざまな世代による「共同創造空間」が「Fビレッジ」の目指す形だ。

2024年6月には高齢者向けの住宅や、6つの医療施設が入るメディカルモールが開業。

さらに、2028年には当別町の北海道医療大学が移転してくる。

同じ年にはJR北海道の新駅も開業し、多様な世代が集まる場所になる。

そして、新たな開発も。

新たな開発も進むFビレッジ

ボールパークの仕掛け人、前沢賢さんがUHBの取材に答えた将来の構想。

そのひとつがスポーツリゾートの拠点となる高級ホテル。

2027年度の開業予定だ。

「既存の球場のホテルは12室しかない。新たに建設するホテルは200室近い。ホテルの構想を見ると、泊まってみたいと思えるホテル」(前沢さん)

今までのホテルと異なる点は。

「リゾート感のあるホテルになると思う。来場者から話をいろいろ聞いてピンときたのは、『スポーツリゾート』だと言われたこと。そうなのかなと思うし、今後もそういう流れはあると思う」(前沢さん)

新たなオフィスビルの構想も。

「JR新駅と球場の間に、間違いなくオフィスビルはできる」(前沢さん)

それは、通常の企業誘致とは異なるものだという。

「街中にあるようなオフィスを作っても何の意味もないと思う。自然豊かな場所なので、充足されるようなオフィス環境を作りたい。家からオフィスまで通うスタイル自体を見直し、新しいスタイルを提案したいと思っている」(前沢さん)

オフィスと住居が隣接した新しい形態も考えているという。

「Fビレッジ」の今後に注目だ。

北海道文化放送
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