イギリスのヘンリー王子が7日、24時間の短期滞在後、ロンドンからロサンゼルスへ出発した。
滞在中、チャールズ国王とは面会したが、ウィリアム皇太子とは会わず、兄弟の再会は実現しなかった。
チャールズ国王は、サンドリンガムの別邸で静養中とみられている。

兄弟の確執が浮き彫りに

イギリスのメディアによると、ヘンリー王子は7日午後、24時間ほど滞在したロンドンからロサンゼルスに向けて出発した。

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ヘンリー王子は、がんと診断された父・チャールズ国王と面会したが、兄・ウィリアム皇太子とは会わなかったと伝えられている。

一方、ウィリアム皇太子は「この場を借りて、特にここ数日のキャサリンや私の父に対する皆さまの優しさとサポートに、お礼を申し上げたい」と述べた。

ヘンリー王子は、父より兄との距離が離れているのかなど、さまざまな憶測が報じられている。

ここからは、フジテレビ・立石修取材センター室長がお伝えする。

チャールズ国王が、がんを公表してから3日目の7日、初めてウィリアム皇太子が公の場に現れ、タキシードに、ちょうネクタイ姿で、元気そうな姿を見せた。

参加したのは、ウィリアム皇太子が後援する航空救急隊の慈善パーティーで、会場はロンドンにある旧陸軍省の歴史ある建物を改装して新しくできた「ラッフルズ」という一流ホテル。

「ビッグベン」の近くにある、今イギリスで最新のスポットだ。

会場にはゲストとして、アメリカから俳優のトムクルーズさん(61)も招待されていた。
ウィリアム皇太子と談笑する様子から、2人の関係の良さが見てとれた。

ウィリアム皇太子は、2022年にロンドンで行われた「トップガン」の試写会にも夫婦で訪れるなど、トム・クルーズさんとは以前から親交がある。

航空救急隊のパーティーだけに、ウィリアム皇太子は、トム・クルーズさんに「映画でヘリを使ってくれないか?」などの冗談も言っていた。

ただこの日は、いつも隣にいるキャサリン妃は病気療養中のため、ウィリアム皇太子は1人。
やはり、少し寂しい印象が否めなかった。

キャサリン妃が腹部の手術を発表した1月16日以後、ウィリアム皇太子は公の場に姿を見せず、コメントも出していなかった。

父と妻の病気という大変な状況だが、少し落ち着いたようにも感じられる。

その一方で、弟のヘンリー王子とは絶縁状態が続いている。
今回のヘンリー王子の帰国で、家族関係が修復できるかもという報道もあったが、そうはいかなかった。

ヘンリー王子の今回のイギリス滞在スケジュールは、6日午後1時にヒースロー空港に到着。午後2時45分ごろチャールズ国王の公邸に到着し、45分ほど面会した。
そして、7日午後3時5分発の飛行機でアメリカに帰ったとみられる。

久々の故郷訪問は、国王に会うためだけの24時間程度の“とんぼ返り”となった。

修復不可能ともいわれた父親とは対面したが、地元メディアによると、がんの処置後で国王が疲れていたため、短時間となったということだ。

そして期待されていた兄弟の再会は実現しなかった。
家族のがんという非常事態でも話をしないということで、あらためて2人の確執が浮き彫りになった。

静養に適した場所で療養

こうした騒動が、チャールズ国王の心労になっているとも思われる。
息子同士だけでなく、息子の妻も含め家庭関係が複雑になっているため、気がかりなのではないだろうか。

現在まで、チャールズ国王の肉声は入ってきていない。
チャールズ国王は6日、バッキンガム宮殿から飛び立った王室専用のヘリコプターで、療養先であるイングランド東部サンドリンガムにある国王別邸に移動したとみられている。

その別邸でも同じヘリの姿と、木立の中からは黄色い旗が確認できた。

この旗は、「ロイヤルスタンダードフラッグ」と呼ばれるもので、イギリスの国王や女王など、君主がその場所に滞在しているときだけに特別に掲げられるもので、チャールズ国王がサンドリンガムに滞在していることがわかる。

ここは、日本の皇室にたとえるなら、那須や葉山のような静養に適した緑豊かな場所だ。
チャールズ国王は、この別邸で穏やかな日を過ごしているのではないかと思われる。

またチャールズ国王は、電話でスナク首相と会談し、2週間以内に定例である国王と首相の直接面会が再開されるとの報道もある。

チャールズ国王のがんは早期の発見ということで、病状については少し安心してよいかと思われる。

とにかくイギリスでは、国王の容態に大きな注目が集まっているが、初期のがんだということ以外、詳細は公表されていない。

メディアは何をどこまで発表するか、憶測を呼ばないように伝える必要がある。
(「イット!」 2月8日放送より)

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