札幌市で路線バスを運行する「じょうてつバス」が、乗務員不足のため過去最大規模の51便を減便することを発表した。市民生活への影響が懸念される。
札幌市内を走る「じょうてつバス」が減便
「じょうてつバス」は2月13日から、札幌市内を運行する32路線51便のバスを減便すると発表した。

対象となるのはJR札幌駅や地下鉄真駒内駅などと、札幌市南区の川沿・石山・藤野地区などを結ぶ便。
過去最大規模の減便 利用者は困惑
過去最大規模の減便となり、1日あたり乗客約1100人に影響が出る見込みだ。
利用者からは困惑の声が。
「困る。バスがないと動けない地区なので、何とかならないかな」
「すいているので、それを狙って利用している。それが減便になるのは困る」
「真駒内から学校に行く人が多いのでとても混む」(いずれもバス利用客)

「じょうてつバス」は慢性的な運転手不足に加え、想定を上回る退職者が続出したことが減便の理由としている。
背景に運転手不足 全体の約14パーセント欠員
運行に必要な運転手は208人だが、現在は30人ほど足りておらず、全体の約14パーセントが欠員している状態。
交通問題に詳しい専門家は、今後は利用者の協力がなければバス事業そのものが成り立たなくなるという。

「バス利用者は30年間増えたことがなく下がり続けてきた。路線自体を減らすのは避け、1時間あたり4本の便を2本などにすることを、利用者に合わせてくれるようお願いするしかない」(北海学園大学 堂柿 栄輔 教授)
2023年10月の46便に続き、今回51便の減便。
「じょうてつバス」では夏のダイヤ改正に合わせさらに大幅な減便を予定しているほか、路線の統廃合も検討しているということだ。