6日、奈良市が、4世紀後半に作られた古墳から見つかった「木棺(もっかん)」を公開した。類を見ないほど良い保存状態だという。
記者リポート:1600年の時を超え、奇跡的に姿を現したのが、こちらの木棺です。

奈良市にある国内最大の円形古墳、「富雄丸山古墳」。 2023年、長さ2メートル37センチという古代の東アジアで最も長い「蛇行剣(だこうけん)」や、これまでに例のない盾の形をした「盾形銅鏡」が出土し話題になった。

■奇跡的な保存状態で見つかった『木製の棺』

そして6日、奈良市が新たに公開したのが、「木製の棺」。4世紀後半に、丸太をくりぬいて作られたもので、幅は70センチほど、長さは5.3メートル以上。 通常、木棺は腐ってなくなってしまうことがほとんどだが、土の中の水分量が多いなど、好条件が重なったことから、奇跡的に一部が原型をとどめたまま出土した。中でも、内部を仕切るための板が立ったまま残っている例はほとんどなく、容器とふたを閉じるために縄をかける「突起」が残っている例は日本で初めてだという。
■「よく残っているなとびっくり」

奈良市教育委員会 埋蔵文化財調査センター・鐘方正樹所長:よく残っているなとびっくりしました。仕切り板が立っているのは奇跡だなと。従来、腐ってなくなっていたようなもの(副葬品)が見つかるかもしれません。
気になる埋葬されている“人物像”について…
奈良市教育委員会 埋蔵文化財調査センター・鐘方正樹所長:今後掘ってみないと分かりませんが、古墳の主を助けた、そういう人物が葬られたことも考えられます。

奈良市では、2月中旬から木棺内部の本格的な調査を行う予定だ。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月6日放送)