警察から感謝状を受け取る郵便局の職員。職員が防いだのは、今、高額な被害が出ている新たな手口、「インターネット口座」を悪用したニセ電話詐欺だった。その詐欺の内容はどのようなものだったのか。

ネット口座へ送金させる新手の詐欺

2024年2月6日、福岡県警城南警察署で感謝状を受け取った、福岡福大前郵便局に務める満行雄一郎さん(50)。

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満行さんは1月、「保険を解約し、ネット銀行口座に送金したい」と郵便局を訪れた80代の女性がニセ電話詐欺にあっていることに気づき、被害を防止した。その女性はすでに2,000万円余りをだまし取られていて、さらなる被害を防いだかたちとなっていた。

福岡福大前郵便局・満行雄一郎主任:
ネット銀行を使われるには、「ちょっとお年を召しているかな」というところもありましたので、ちょっと違和感を感じた

今、ネット銀行の口座を開設させてお金を移し替えさせ、インターネットを利用して犯人の口座に送金させる手口の詐欺事件が相次いでいる。ATMや窓口を利用することが少ないネット上の口座を使用することで人目に付きにくく、犯人にとって、リスクが少ないのだ。

約2000万以上だまし取られた経緯

犯人たちは、一体どのような手口で、女性をだましていたのか。

最初は、総合通信局を語る男から「あなたの携帯電話で詐欺が行われています」と自宅へ電話があった。その後、北海道警の警察官をかたる男が「銀行の支店長があなたの通帳を勝手に作り、犯罪のお金が振り込まれています」と話した。

さらに検察官をかたる男からインターネットで口座を作り、預金口座から送金するよう指示され、2,260万円をだまし取れられたという。

城南警察署管内では、同じようにインターネット口座を悪用した手口で、70代の女性が4,300万円をだまし取られる被害に遭っていたことが判明している。

手口を変え、巧妙化

インターネット口座を悪用した詐欺は、被害者名義であることや窓口に行かずに金のやりとりができるため、周囲の人が被害に気づきづらい側面がある。

城南警察署・龍頭篤史生活安全課長:
被疑者は「警察に捕まらないように」というかたちで、手口を変えております。その手口が巧妙化していると言えます

福岡県内では、このほかにもFX投資などをもちかける詐欺の被害が相次いでいて、2024年に入ってからの被害額は、2億8,000万円にも及んでいるという。

「電話でお金は全て詐欺」。警察ではあらためて注意を呼び掛けている。

(テレビ西日本)

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