不登校の子どもたちや困りごとを抱えた若者などが集う高岡市のコミュニティハウス「ひとのま」を、歌手でタレントの中川翔子さんが訪ねた。自身も不登校の経験がある中川さんが、ひと感じたのは、「お家でも学校でもない居場所は大事」という思いだった。

好きなことをして埋めていく青春時代

中川翔子さん(2023年11月長野県)
中川翔子さん(2023年11月長野県)
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「しょこたん」の愛称で幅広い世代から親しまれている、歌手でタレントの中川翔子さん。

2023年11月に長野県で開かれた新曲のリリースイベントでも、駆けつけた多くのファンとの交流に笑顔を見せていた。

芸能界で活躍を続ける中川さんが2019年に出版したのが「死ぬんじゃねーぞ!!いじめられている君はゼッタイ悪くない」

中学生の時、不登校を経験した中川さん。

好きな絵をからかわれたり、靴を隠されたり…陰湿なイジメにあったという。

中川翔子さん:
「登校拒否になったら終わりみたいな感じだったし、どうしていいのかわからないとか、そういう感じでしたね。だからもう死にたい、消えたいみたいなのが18歳くらいまでずっとあったかもしれないですね。ひたすらネットやって、絵を描いて昼夜逆転してゲームして、考えないように好きなことをして埋めていくしかなかったんで」

「好きなことをみんなで」

そんな中川さんが2023年12月、高岡市のコミュニティハウス「ひとのま」を訪ねた。

ひとのまに集う人たち:
「しょこたん、ようこそ!」

大勢の人たちが中川さんを心待ちにしていた。

コミュニティハウス「ひとのま」は、学習塾を営んでいる宮田隼さんが、不登校の子どもや親から相談を受けていつでも来られる居場所をと2011年に作ったのが始まり。

こどもの利用料は無料で、日本財団の助成金などを活用して運営している。

こどもたち:
「しょこたん、一緒にスマッシュブラザーズしませんか?」

中川翔子さん:
「わ~夢の誘いうれしい。私一人っ子だったからスマブラをやるって賑やかじゃないとできないじゃん、あこがれてたんですよ。うれしい。」

ひとのまでは過ごし方にルールはなく、子どもも大人も思い思いに過ごす。

中川翔子さん:
「この一瞬で溶け込ませてくれる空間の居心地の良さが素敵」

ひとのま 宮田隼さん:
「こんな感じで観客も盛り上がるでしょ。みんなバラバラで来たんだけど、ここで何となく知り合いになってみんなでわーってやって、いつの間にか仲良くなって」

好きなことをみんなで。

自然とつながりが生まれていく。

中川さんは、学校に行けず、一人で過ごしていた学生時代のことを思い返していた。

‟何か好き”が奇跡を起こす

中川翔子さん:
「(不登校の時にやっていたことは)無駄じゃなかった。ゲームだけしていても、歌だけ歌っていても、本だけ読んでいても、猫とボーっとしていても。私の場合は1人で過ごしていたから、もしあの頃の自分をひとのまに連れてきたらどうだったかなって考えたら、通っていたと思う。ギスギスしているだけの学校のクラスの空間だとしたら、誰かが文句を言ったりマイナスなことを言ったりしがちだった。風通しがいいというのは、こんなに(子どもたちが)キラキラするんだなと。何か好きという気持ちが奇跡を起こすんだなと思う。いろんな場所でこういう居場所ができてほしいと思った。ふらっと立ち寄れていつまでもいたくなるような感じもあっていつ行っても何しててもよくて、お家でも学校でもない居場所は大事」

ひとのまで過ごす人の中には学校に通えなくなった10代の若者もいる。

同じ経験をもつ中川さんとのひとときは、富山の若者たちにとってかけがえのないものとなった。

富山テレビではこどもの居場所や環境を考える年間キャンペーン「こどものミカタ」を展開。いじめや虐待、不登校、現状と課題についてみつめている。

2024年1月2日には、不登校の子どもたちが増加する中、これから求められる「学び」のカタチについて歌手でタレントの中川翔子さんや有識者たちとともに考える「こどものミカタ~学びの明日をみつめて~」を放送した。

こどものミカタ|富山テレビ BBTWEB

(富山テレビ)

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