自民党の細野豪志衆院議員と、立憲民主党の小川淳也前政調会長、国民民主党の古川元久国対委員長が4日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演。自民党が収支報告書に不記載のあった議員を対象に聴取を開始したことを巡り議論を交わした。
古川氏は、自民党議員が聴取役を担う形式について、客観性や中立性の問題があると指摘。外部の第三者委員会を作り調査するべきだと述べた。
これに対し、細野氏は、「おそらく検察審査会の動きも気にはなっているのだろう。聴取される側に被疑者になる可能性がある議員がいるとき、被疑者の権利も当然あるわけで、それをどう両立するかというのは若干あったかもしれない」と一定の理解を示した。
一方、小川氏は、「民主主義のルールを崩した議員は辞職するしかない。議員辞職して税務調査を受けるべき」と指摘した。
また、番組コメンテーターの橋下徹氏は、自民党の聴取について、「これほどユルユルな調査はあり得ない」と批判。
「確定申告をこれから迎える身としては、本当に頭にくる。われわれ民間は税務署に確定申告をして収入額をちゃんと申告している。なぜ国会議員だけ不記載でおとがめナシになるのか。腹が立ってしょうがない」と重ねて批判した。

以下、番組での主なやり取り。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
今回の自民党の聞き取り調査メンバーには、小渕優子選対委員長も入っている。聴取対象議員の中には、小渕氏の関連の2014年の政治資金規正法違反の疑惑の際、ドリルでハードディスクを壊したという証拠隠滅の疑いもあって、そういった人がその聴取の側に回るのはどうなのかという不満の声も出ている。また、自民党議員が身内の議員をヒアリングするのは本当に効力があるのかと疑問の声も出ている。この辺りの実効性については?

細野豪志氏(自民党・衆院議員):
小渕選対委員長に関しては、個人でやるというよりは、役職上やるということだろう。客観性を持たせるために弁護士を入れているということだと思うので、今日も相当精力的にやっているというふうに聞いているが、そこはきちっとヒアリングをするべきだと思う。

小川淳也氏(立憲民主党・前政調会長):
岸田首相が「(聴取を)やります」と言ったことを受けて、やったフリをせざるを得ないということで、嫌々やっているんじゃないかと。やっぱりスネに傷のある人同士で、傷を舐め合っているような雰囲気で、とても本格的なものが出てくるとは思えないと思っている。

古川元久氏(国民民主党・国対委員長):
民間でこれだけの不祥事だったら、まずやっぱり外部の第三者委員会を作って、そこでやっぱり調べてもらうと。だから、そういう意味では、客観性とか中立性(の問題)を問われても仕方がないと思う。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):
われわれの取材の中で、「ゆるりとした感じで(聴取する)」という話が出てきている。このゆるりとした感じというのは、どんなやり取りの中で出てくる言葉なのか。

細野氏:
2日の金曜日あたりは党内がかなりザワザワしていた。自民党議員の中で、聴取対象になっている人も含めて。だから、それはオフレコで誰かが感想として(ゆるりとした感じでと)言ったのかもしれないけれど、実際は聴取を受けている人は、かなり深刻に受け止めて(聴取を)受けているというふうに私は聞いている。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):
確定申告をこれから迎える側としては、本当に頭にくる。国会議員は、国民に対して税のルールを作るのが最も重い仕事で、もともとイギリスでもマグナカルタ発祥っていうのは、課税権というものを、王様の課税権を制限して作っていくっていうところから議会が発祥した歴史がある。そもそも自民党の調査を都内の高級ホテルでやっているというのはどういうことなのか。自民党本部でやればいい。高級ホテルでやるという感覚がおかしい。第三者調査というのは、民間では当たり前だが、そこに当事者というか、自民党のメンバーが本来は入るわけがない。世の中にたくさん不祥事を起こした企業があるが、第三者調査にその企業の経営幹部や幹部が当事者として入るわけがない。細野氏は「(小渕氏は)役職として聴取役をやっている」と言うが、裁判の裁判官が、自分の息子が被告になった時に、「私は裁判官としてやっている」というのは筋が通るわけがない。法律上は除籍と言って、その当事者と利害関係があれば自動的に除籍になる。それから、国会議員に言いたいが、不記載とか事務ミスと簡単に言っているが、われわれ民間は税務署に確定申告をして収入額をちゃんと申告している。政治資金収支報告書というのは国民に対しての報告書。われわれがやってる税務署に対する申告よりもっと重いものになる。これを不記載にしたら、われわれは過少申告加算税というペナルティをものすごく負うことになる。なぜ国会議員だけ不記載でおとがめなし、になるのか。腹が立ってしょうがない。

松山キャスター:
野党としては自民党側に(派閥パーティー収入の)不記載議員リストを全部出してくれということを言っているが、あすまでに本当に出てくるのかどうか、微妙な部分もあるが、野党としてはどこまでのリストを出して欲しいのか?

小川氏:
とにかく裏金を作っていた議員、裏金もらっていた議員は誰なのか。いくらなのかと。そして、何に使ってたのかと。まあ、どうせろくなことに使ってないだろうから出せないんだと思うが。

古川氏:
これは野党国対委員長会談で決めたから、私が説明する。まずは、不記載をした本人にちゃんと聞いて、(裏金を)もらったか、もらってないのか。で、その額がわかるならその額はと。やっぱりちゃんと、まずは、正直に言うことが第1段階なので、今回のわれわれ要求したので、まずはそれ。そのうえで、裏金リストが出てきたら、じゃあ、次は何に使ったのかと。今回われわれが出せとわれわれ要求したのは第1段階で、そこからやっぱりもう1段階さらに深く入っていかなきゃいけないと思っている。

橋下氏:
(何に使ったのか)出せと言っても出さないだろう。

古川氏:
あすから国会で予算委員会が始まるが、出さなかったらどうなるか知らないと。われわれはそうやって自民党に突きつけている。

橋下氏:
国税庁はものすごい調査能力がある。民間でいったら単純な収入不申告になる。もう全部、金の流れも国税庁が入ったら簡単に暴き出される。自民党は少し軽く考えすぎじゃないか?

細野氏:
いろんな人と話をしていて、1番深刻なのは税の問題だと思う。そこは国民からすると非常に不平等だと。それは本当に深刻だと思う。そこは岸田首相も言っているが、そういう政治資金以外の部分があるのであれば、法律に基づいてきちっとやるっていうのは、当然のことだと思いますね。

橋下氏:
民間が不祥事を起こした時に、こんな調査をして許されるのか。第三者調査を今の自民党のメンバーでやったら、それは第三者調査じゃないと皆から批判される。どこの企業の不祥事調査でも、これほどユルユルな調査はあり得ない。

細野氏:
私もそこはこれ以上の弁護をする気持ちにはなっていないが、1つだけ言うと、おそらく検察審査会の動きも気にはなっているのだろう。つまり、そういうことになってくると、被疑者になる可能性がある人がこのリストの中にいる。そのときに、被疑者の権利も当然あるわけだから、それとどう両立するかというのは、若干あったかもしれない。

小川氏:
とにかくろくなことに使っていないので言えないし、出てこない。で、これを解明するには橋下氏が言ったように調査権のある国税が入らないとどうしようもない。これが結論。もう1つ、政治活動に使ってるからやましくないんだという言い逃れをした人がいるが、これはどっちもアウトで、私的に流用していれば脱税の問題が出て、政治活動に使うとなると、政治資金というのは表に出して国民から見えるところで透明性を持って使い、お互いに切磋琢磨しようという民主主義のルールがあるわけだ。ということは、もし政治活動に流用していれば民主主義のルール基盤に対する挑戦であり、これを突き崩すことにつながる。つまり両方アウト。だから議員辞職するしかない。議員辞職して税務調査を受けろと。自民党は1回下野だと。それが最大の政治改革であり政治の刷新だと。政治の結論としてはそれしかない。

日曜報道THE PRIME
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