2月1日、裏金事件で解散する自民党最大派閥の安倍派がね最後となる総会を開いた。総会後、所属議員たちが現在の心境について、それぞれの思いを語った。

”最後の挨拶”でもまばらな拍手

最後の総会が行われる会議室に、続々と集まる安倍派の議員。

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午後1時前に報道陣が中へ入ると、所属議員が座る席には、すき焼き店の弁当とお茶が並んでいた。

冒頭を挨拶に立ったのは、自身も234万円の裏金が発覚した塩谷立座長。

「歴史ある清和研を閉じなければならない。断腸の思いでございます」
「清和研の最後の総会のご挨拶とさせていただきます」

いずれも険しい表情を浮かべる、ひな壇に並ぶ安倍派幹部
いずれも険しい表情を浮かべる、ひな壇に並ぶ安倍派幹部

最後の挨拶にもかかわらず、拍手はまばら。ひな壇に並ぶ安倍派の幹部は、いずれも険しい表情を浮かべていた。

1979年に福田元首相が創設

安倍派・清和政策研究会は、1979年に福田赳夫元首相が創設。

当時、「やはり日本の政治を清く正しく、たくましいものにする」と語っていた。

「まつりごと清ければ人をおのずから和す」という言葉から命名された「清和会」は、「清廉な政治は人民を穏やかにする」という意味。福田元首相は、「数は力、力はカネ」との言葉を残した田中角栄元首相に反発し、”反金権政治”を訴えた。

森喜朗氏
森喜朗氏

「清和研」は福田元首相に加え、森喜朗氏、小泉純一郎氏、福田康夫氏、安倍晋三氏の合わせて5人の首相を輩出したが、”金権政治”への反発から生まれたはずの「清和研」が、奇しくも”政治とカネ”の問題で45年の歴史に幕を下ろした。

自身の責任に言及する人、釈明する人

所属議員の思いは様々だ。

”裏金”2057万円・橋本聖子元五輪相は、「私自身も多くの還付金(キックバック)をいただいたことになるので、他の方よりも自分自身の責任の取り方を考えていかなければいけないと思います」と話し、自身の責任について言及した。

一方で、”裏金”822万円・丸川珠代議員「派閥から一時的に預かったお金という認識であったということであります」
”裏金”204万円・松川るい参院議員「安倍総理に憧れて、私は清和研を選びましたので、このような形で終わったことは、極めて国民の皆様に対してまず申し訳ないですし、安倍総理にも申し訳ない。やっぱり幹部の責任が重いんじゃないかと私は思っております」と釈明する議員もいた。

幹部の責任を問う声に、安倍派5人衆の1人・松野博一前官房長官(”裏金”1051万円)は、1日午後1時過ぎ、「一緒に仲間と苦労してきた思いもあるから、これは本当にじくじたる思いです」と話した。

麻生太郎氏
麻生太郎氏

一方、存続することを決めた麻生派も1日午後に総会を開催。マスコミに非公開で行われた会合では、今後も毎週会合を開くことを決めた。

国会では岸田首相に厳しい追及続く

国会では、1日も野党が岸田首相への厳しい追及を続けている。

日本維新の会・馬場代表が「派閥解消を政治改革の中心に据える動きが加速しています。これは目くらましと言わざるを得ません」と非難したことに対して、岸田首相は「党としても関係者の聞き取りを行うこととしており、目くらましとのご批判はあたらないと思います」と反論した。

自民党は裏金疑惑の実態解明に向けて、2日から関係議員への聞き取り調査を始める。
(「イット!」 2月1日放送より)

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