能登半島地震で安否がわからない人は依然19人いて、捜索活動が続けられている。 そんななか、かつての大震災を経験した人たちが30日、被災地に向かった。
■依然19人が安否不明 捜索が続く
地震で大規模な土砂災害が発生し、複数の住宅が巻き込まれた輪島市市ノ瀬町。地震の発生から間もなく1カ月となるなか、現場では30日も消防や警察など270人態勢で捜索が続けられた。
垣地弘明さん(58)、弟で瓦屋根職人の英次さん(56)が土砂災害に巻き込まれたとみられている。
垣地弘明さん:
弟がまだ見つからないということで1秒でも早く顔を出してくれと。(1カ月たつが)気持ちは何も前にいってないような、そんな感じだと思います

能登半島地震で犠牲になった人のうち、石川県が遺族の同意が得られたとして、氏名を公表したのはこれまでに129人。そのうち、およそ8割にあたる103人の死因が「家屋の倒壊」だという。
一方、家屋の下敷きになったり土砂災害に巻き込まれたりするなどして、いまも19人の安否がわかっていない。

救助活動すら思うように進まない状況のなか30日、神戸市役所に集まった人たち。阪神・淡路大震災で人命救助や復興に携わった神戸市の元職員と、現役の職員だ。
鍵本敦さん:
被災地で避難生活を送られている方に、少しでも明るい話題を提供できれば
そのうちの1人・元消防士の鍵本敦(61)さん。当時、大規模な火災が発生した神戸市長田区で消火活動にあたっていて、救助を求める声に応えられなかったと振り返る。
鍵本敦さん(2019年):
救出しようとしたところに火が迫ってくるんですよ。とにかく火を消さないことには救出作業はできない。もうどうしようもないというのはわかりますから、そこで正義感やなんやかんや以前に、無理だと。街全体が地震というものを全く考えていなかったというのは事実です
無念の思いから29年、当時と同じような光景が広がる被災地で鍵本さんは被災の状況や必要な支援を調査するということだ。

鍵本敦さん:
被災地の自治体の方々は想像を絶するくらい、精神的に参っていると思う。神戸も当時一緒でしたよ、でも数年経てば元通りになるんですよ、という希望を含めて、一緒に話し合いができたらいいなと思います

【関西テレビ「newsランナー」1月30日放送】