2024年1月の寒波では、鳥取県東部から島根県東部、隠岐にかけて大雪となり、街では「雪かき」に追われる人の姿を多く見かけた。年齢を問わず腰に大きな負担がかかる「雪かき」で、どうすれば“腰を痛めない”のか。
そのテクニックを鳥取・倉吉市が生んだ“令和の怪物”こと「伯桜鵬」関の身体のケアをするトレーナーに聞いた。

痛める理由は繰り返す腰の筋肉の動き

本格的な雪のシーズンに突入し、山陰などの“雪国”で頭を悩ませるのが「雪かき」だ。思いのほか体に負担がかかり、腰を痛めたという人も少なくないのではないだろうか。そこで、腰痛にならない「雪かき」のテクニックを専門家に聞いた。

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教えてくれたのは、鳥取市のトレーナー・大森浩司さんだ。異例のスピード出世で、将来の「横綱」候補として注目される倉吉市出身の「伯桜鵬」のトレーナーでもある。
言わば“身体の使い方のプロ”の大森さんによると、「雪かき」で腰を痛めるのには理由があるそうだ。

おおもりトレーナーRoom・大森浩司さん:
骨盤が後ろに倒れた状態から物を持ち上げることによって、背中が曲がっていると腰の筋肉が伸ばされる力が働く。それが繰り返されることによって痛みが発生しやすい。

「雪かき」をする時は身体が前傾姿勢になるため、腰の筋肉で雪の重さを支えることになる。この動作を繰り返すことが痛みにつながる。さらに、すくった雪を投げる時も腰には大きな負荷がかかる。

“腰を痛めない”雪かきのコツ

腰を痛めない「雪かき」テクニックとして、大森さんはポイントを2つ挙げた。まず1つ目は「スコップの持ち方」だ。

スコップを持つときは体の近くで構え、手のひらを上にして柄を持つことで、腕の筋肉の力を最大限使うことができ、楽になるという。

そして2つ目は「腰を曲げない」ということだ。大森さんは「しっかり雪をすくい取って、まずは上に上げること。すくってそのまま投げてしまうと、力の向きがバラバラになってしまう」と話す。

腰を曲げて前傾姿勢で雪を投げると身体をひねって負荷がかかり、腰痛の原因になってしまう。いったん背筋を伸ばして姿勢を整えると、無理なく雪を投げることができるという。

雪かき前の「準備運動」が大切

さらに大森さんは「雪かき」に取りかかる前には、背中や股関節周りを重点に「準備運動」をすることが重要だと教えてくれた。

おおもりトレーナーRoom・大森浩司さん:
「雪かき」は寒いところでやるので体が冷えた状態になる。その状態でいきなり作業すると、1週間から2週間たった後に腰の調子が悪くなってくる方が多いように思う。

スポーツ同様に「いきなり」は禁物だそうだ。凍える寒さの中での重労働「雪かき」で、「ぎっくり!」とならないために身体の使い方を意識すること、そして準備を怠らないことが肝要だ。

(TSKさんいん中央テレビ)

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