能登半島を襲った地震から3週間が過ぎた今も、安否不明者の捜索が続いています。

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23日に「めざまし8」が訪れたのは、雪が降りしきる石川県輪島市市ノ瀬町。元日の地震発生直後に、大規模な土砂崩れが発生した現場です。

雪の中続く捜索活動
雪の中続く捜索活動

田中良幸キャスター:
捜索活動が行われていますが、消防隊員がいるすぐ後ろの建物が、完全にひっくり返ったような形になっています。

懸命に続く安否不明者の捜索の様子を、じっと見つめる男性がいました。
垣地弘明さん(58)。実家が土砂にのみ込まれ、2歳下の弟・英次さんの安否が今も分かっていないといいます。

垣地弘明さん:
はよ出てこいよって言いたくなる。本当にこんだけ…みんなにご足労かけているので。

実家に住む弟と「正月、一緒に過ごそう」と約束していた弘明さん。
元日、金沢から車で実家に向かっていたところ、大きな揺れに襲われました。

垣地弘明さん:
正月行ったら「ほんなら一緒に箱根駅伝でも見よっさ」って言ってて。携帯は通じない、家(の電話)は通じない。近所の方に電話かけても通じないし、これは…と心配したんですけれども、なかなかこっちの状況も入ってこなくて。

地震の2日後、ようやく実家にたどり着くことができましたが、見慣れたふるさとの風景は一変していました。

垣地弘明さん:
まだ捜索も全然入ってなくて、家の間近まで行って、「英次」と叫んでみたんですけれども、やっぱり返事はなく…。
100m下流に押し流されているらしくて、下流というか、下のほうに押し流されているので。自宅はそのまま真っすぐ下の方に。かなり捜索範囲も広いということで、断定がなかなかできなくて。それで、やっぱり苦労してるんかなというふうに思いますね。

垣地弘明さん:
長男の僕が外へ出ちゃって、おふくろ一人になるからということで、あいつが仕事辞めて家入って。いろいろおふくろと一緒に生活していただいて。お袋の晩年はがんで闘病もしてましたから、その辺の世話もしていたし、他の家のお年寄り衆とか、町のそういうことに、助けることも積極的にしてたみたいなので。本当に避難所の皆さんも顔見知りばっかりなので、みんなうちの英次のことを家族のように心配してもらってますわ。

唯一見つかった兄弟の“思い出”

捜索中に見つかったのは、泥だらけの1冊のアルバム。そこには幼い頃の兄弟の写真が残されていました。

土砂の中から唯一見つかったアルバム
土砂の中から唯一見つかったアルバム

垣地弘明さん:
多分、生まれて1歳か2歳になる前と思いますね。これは僕ですし…これが弟です。

この日の捜索で、英次さんの安否を確認することはできませんでした。

垣地弘明さん:
僕も何か少しひとかきでも土を掘って、前に近づければいいなぁと思うんですけど。やっぱり二次災害の危険性も多々ありまして。かなり水を含んでいるということで。本当に泥だらけで見つかると思うんですよね…。やっぱりかなりの勢いで家の方に土入ってましたし、多分泥だらけやし、早くきれいに拭いてあげたいなと。見つかれば…そう思ってますけども。
(「めざまし8」1月24日放送より)