天皇皇后両陛下の長女 愛子さまが、学習院大学を卒業後「日本赤十字社」に嘱託職員として就職されることが内定したと、宮内庁が発表しました。

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愛子さまは宮内庁を通じ、社会人となる今の心境を明かされました。

愛子さま
「日頃から関心を寄せている日赤の仕事に携われることを嬉しく思うと同時に、身の引き締まる思いが致します。一社会人としての自覚を持って仕事に励むことで、微力ではございますが少しでも人々や社会のお役に立つことができればと考えております」

短編小説「看護師の愛子」抱き続けた“思い”

現在は、成年皇族として、学業を優先しながら皇室の行事にも出席されている愛子さま。

愛子さまが就職先に日本赤十字社を選ばれたことについて、フジテレビ皇室担当の橋本寿史解説委員はこう話します。

橋本寿史解説委員:
今回、日本赤十字社に就職をされるということを聞いて、まずは私の中でパッと思い浮かんだのが、実は中学生の時に書かれた「看護師の愛子」という小説でして。

愛子さまが中学1年生の頃に書かれた、短編小説「看護師の愛子」。忙しく働く看護師の女性が主人公の物語です。

「私は看護師の愛子。最近ようやくこの診療所にも患者さんが多く訪れるようになり、今日の診療も外が暗くなるまでかかった」

ある日突然、診療所が大海原に流されてしまいます。

「扉の外には片足を怪我した真っ白なカモメが一羽、今にも潮に流されてしまいそうになって浮かんでいた。私はカモメを一生懸命に手当てした。その甲斐あってか、カモメは翌日元気に、真っ青な大空へ真っ白な羽を一杯に広げて飛び立って行ったのであった」

以降、診療所には、けがをした生き物が次々に現れます。

「私は獣医の資格は持っていないながらも、やって来た動物たちに精一杯の看護をし、時には魚の骨がひっかかって苦しんでいるペンギンを助けてやったリもした。そう。愛子の診療所は、正に海の上の診療所となったのだ」

以前から社会福祉に関心を寄せられていた愛子さまの“原点”とも呼べる短編小説。

橋本寿史解説委員:
困っている人たちに対してどのように自分が支援をしていけばいいのか、手助けをしていけばいいのかというのを常に考えられていたんだなと。あの頃の愛子さまの気持ちを、何も変わらずにずっと持ってらっしゃったんだということをふと感じました。

人の役に立とうとする姿に感銘

2019年から雅子さまが名誉総裁を務められている「日本赤十字社」。
去年10月には、愛子さま自身も初めて日本赤十字社を訪れ、災害現場などで救護にあたり、殉職した人たちの慰霊碑に花を手向けられました。

2022年3月の成年会見では、「ボランティアとして被災地で活躍されている方々の様子を、テレビなどの報道で目にして、自分の住んでいる街であるとかないとか関係なく、人の役に立とうと懸命に活動されている姿に非常に感銘を受けました」と話されていました。

愛子さまの就職内定について、両陛下は以下のお気持ちを明かされました。

「愛子が日本赤十字社の嘱託職員として受け入れていただくことになったことを、ありがたく思います。この春から、日赤の一員として仕事に従事することにより、多くの人のお役に立てるよう、努力を続けるとともに、社会人の1人として成長していってくれることを願っています」
(めざまし8 1月23日放送)