ペダルをこがなくても電動のモーターなどで走行できる、ペダル付き原動機付き自転車「モペット」。
この記事の画像(19枚)モーター走行時は時速30kmで走行することが可能で、「運転免許証」の所持、「ナンバープレートの設置」「自賠責保険の加入」が必要となります。
また、ミラーやウインカーなどの装備も必要で、乗る時には「ヘルメット」の着用も義務づけられています。
扱いとしては原付バイクと同じですが、「自転車」のように乗り回す危険な運転が相次ぐことから、警察庁は2023年12月、道路交通法に「原付バイク」であることを明記する方針を固めました。
1月18日には危険運転致傷の疑いで、都内で初となる書類送検される事態に。モペットによる検挙はこれで全国3例目です。
横行する「危険な運転」 身勝手な“言い訳”も
「めざまし8」が2023年10月に都内で取材した際も、危険な走行が多く見られたモペット。改めて都内を取材してみると…。
信号無視する車両や、傘を差したまま走行する人。
義務であるナンバープレートを付けていなかったり、ヘルメット未着用の運転手もいました。
中には、ハンドルを握る手に荷物を持ったまま、蛇行するような形で並走する車両を追い越していく姿も。
このような交通ルールを守らない、危険な運転はなぜ行われるのか?
新宿駅近くに止められていた、ナンバープレートがついていないモペットの持ち主だという男女2人に話しを聞いてみると、驚きの答えが返ってきました。
――免許は持っていますか?
モペットの持ち主:
一応持っているんですけど、ナンバーは付けてないです。
――付けないと駄目なことは分かっていますか?
分かってる。
――ヘルメットをしなきゃいけないことも?
分かってる。
――なぜ着けないのですか?
みんな走っているし…いいかなって感じで、正直に言うと。
その後、またモペットに乗ろうとしたところをスタッフが注意しましたが、離れたところに移動した後、結局2人乗りでその場を去って行きました。
最終的に都内で取材した2日間だけで、18件もの違法走行に遭遇しました。
全国で目撃相次ぐ
モペットによる危険運転は、都内だけではなく、各地で目撃されています。
大阪市中央区で撮影された動画には、交差点の信号が赤なのにもかかわらず、停止せず、減速もしないまま交差点に進入し、右折する姿が捉えられていました。
さらに、神奈川県逗子市で撮られたドライブレコーダーの映像にも。
車を走らせていると、急に脇からモペットが現れ、猛スピードで一気に前へ。
車の運転手によると、そのスピードは時速30km以上出ており、赤信号も無視してそのまま走り去っていったといいます。
危険運転を減らすために必要なこととは
このような危険な運転を減らすために、ユーザー側、店側それぞれどのような努力が必要なのでしょうか?
日本電動モビリティ推進協会理事長で、警察庁主催の協議会にも出席されている鳴海禎造氏はこのように話します。
日本電動モビリティ推進協会 鳴海禎造理事長:
まず、販売店はナンバープレートの取り付け、そして自賠責保険の加入をせずに納車をしないということを徹底する必要があると思います。我々の業界団体では、それを徹底するような形で自主的にやっておりますので、ユーザー側もそうしたしっかりとした対応をしているお店を選んで買うということを、ぜひ心掛けていただきたいと思います。
(「めざまし8」1月22日放送)