元日の地震発生から9日まで孤立状態が続いていた、石川県穴水町の麦ケ浦地区。
9日にめざまし8の取材班が訪れた際には、集落に向かう道路は寸断され、20人が孤立状態になっていました。

孤立していた石川・穴水町 麦ケ浦地区
孤立していた石川・穴水町 麦ケ浦地区
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18日に再び麦ケ浦地区を訪ねてみると、陥没した道路が復旧し、車での移動が可能に。

寸断されていた道路には鉄板が張られ、通行可能に
寸断されていた道路には鉄板が張られ、通行可能に

麦ケ浦地区に住む馬道百合子さんは、地震後初めて自衛隊による入浴支援のある場所まで行けることになったといいます。

麦ケ浦に住む馬道百合子さん(82):
だんだん元気がついて。今ね、自衛隊さんのお風呂が総合病院の前に開設してあるって言うんで、今、娘が迎えに来て。ゆっくりね、ぬくいとこに浸かるだけでもいいからね。お風呂を喜んでいるのです。

娘の車で入浴支援に向かう馬道さん
娘の車で入浴支援に向かう馬道さん

孤立集落でまとめ役をしていた細川次郎さんに、孤立解消後の生活を聞いてみると…。

細川次郎さん(70):
電気来てから5~6日たちますかね、とりあえず孤立解消ということで先行して(電気)工事してもらったと聞いています。助かりました。ヒーターも電気もつきますから、やっぱり助かりますよね。電気があれば。

電気が復旧したことで生活は一変。夜には灯りをともすことができ、暖を取ることも可能になりました。しかし、まだ問題も残っているといいます。

細川次郎さん(70):
トイレの水は、山水が流れ着きますので、水路をせき止めて。この水をくんでバケツに10杯くらい、トイレのタンクに入れとるんです。

断水は今も続き、バケツで水をくむ重労働が続いていました。

断水5万戸…復旧のめどが立っていない地域も

地震発生から19日、復旧はどこまで進んでいるのでしょうか?
珠洲市や志賀町で災害マネジメント活動を行っていた、危機管理アドバイザー国崎信江氏によると、災害時は3つの段階で考えることができるといいます。

(1)「初動」…救命、命を守る、安否確認、避難所の開設
(2)「応急」…物資の提供、治療、避難所の環境改善
(3)「復旧」…災害ごみの受け入れ、仮設住宅の用地探し、罹災証明書の発行など

現在は3つ目の「復旧」の段階に移行しています。

危機管理アドバイザー 国崎信江氏
危機管理アドバイザー 国崎信江氏

危機管理アドバイザー 国崎信江氏:
現在は住民の方のニーズ調査ということで、どういう事に困っているのか、他者の手は必要なのかを調査しています。それを受けて、どのようなボランティアに来てもらおうかというところをしていこうと。ただ、まだ宿泊先であったりとか、交通状況が良くないので、まずは日帰りで来ていただけるような地元の方をお願いするという段階にあるのかなと。

石川県の発表によると、県内でいまだに約5万190戸が断水しているといいます(18日午後2時時点)。

七尾市では約1万8000戸が断水しており、復旧まで2カ月以上かかる見通しです。また、被害が大きかった輪島市や珠洲市では復旧のめども立っていません。

――1日でも早く復旧させるためには何が必要なのでしょうか?
危機管理アドバイザー 国崎信江氏:

今、全国から応援職員の方が水道の復旧工事に入ってくださっているんです。ただご存じの通り、水道には上水と下水があって、上水は割と早くできても、排水の下水で詰まってしまうということがあるので、両方セットで復旧して初めて使えるということなんですが、現状は通水作業をしています。漏れた箇所の点検をしていまして、通水できそうだとなっても、飲める水かどうかまでは分からないので、飲める水になるためにはもうワンステップということで、やはり時間がかかってしまうということはあると思います。
(「めざまし8」1月19日放送)

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