新年を迎え、「今年は結婚する!」と考えている人もいるかもしれない。

そんな結婚に関し、1年以内に結婚した人の4人に1人の出会いのきっかけが”マッチングアプリ”だったことがわかった。これは昨年11月の明治安田生命の「いい夫婦の日」に関するアンケート調査で明らかになったものだ。対象は全国の20歳~79歳までの既婚男女1620人。

この中で“夫婦の出会いのきっかけ”について聞いたところ、1年以内に結婚した夫婦の出会いは「マッチングアプリ」(25.0%)と「職場での出会い」(25. 0%)が同率でトップだった。

1年以内に結婚した夫婦の出会いのきっかけ(画像提供:明治安田生命)
1年以内に結婚した夫婦の出会いのきっかけ(画像提供:明治安田生命)
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また婚活で「マッチングアプリ」を利用した人に理由を聞くと、「手軽に出会えるから」と「職場に出会いがないから」がどちらも46.7%で1位だった。

そして「好みの相手を選ぶことができるから」が41.7%、「共通の趣味を持つ相手を探すことができるから」が35.0%と続いた。

結婚年数を限定しないと「職場の同僚・先輩・後輩」がトップ

なお夫婦の出会いのきっかけは、全体(結婚経過年数を限定しない)の調査では、「職場の同僚・先輩・後輩」が31.2%で1位となり、次いで「友人・知人の紹介」が23.6%、「学校の同級生・先輩・後輩」が12.5%となった。「マッチングアプリ」は全体では5.9%だった。

1位の「職場の同僚・先輩・後輩」を結婚経過年数で比較すると、「4年以上」は33.6%、「3~4年」が22.1%、「2~3年」は23.0%、「1~2年」は13.3%、1年以内は25.0%だった。

コロナ禍による外出制限やテレワークの影響から、コロナ禍以降は減少傾向が続いていたが、1年以内のポイントが上がっていることから、職場の出会いが復活したかもしれないとしている。

夫婦の出会いのきっかけが「職場の同僚・先輩・後輩」の人 結婚経過年数別比較 (画像提供:明治安田生命)
夫婦の出会いのきっかけが「職場の同僚・先輩・後輩」の人 結婚経過年数別比較 (画像提供:明治安田生命)

婚活についても調査したところ、「婚活をしたことがある」と回答した人は15.4%で、年代別でみると30代の5人に1人(21.1%)が婚活の経験があることがわかった。

方法については、全年代では「婚活パーティー・婚活イベント」が40.0%でトップで、次いで「友人・知人の紹介」が31.6%、「お見合い」が28.4%となった。また年代別で見ると、「マッチングアプリ」は20代では50.1%で1位、30代では45.6%で2位だった。

婚活に使用したことがあるツール (画像提供:明治安田生命)
婚活に使用したことがあるツール (画像提供:明治安田生命)

このように結婚した夫婦の出会いのきっかけとして、特に若い世代ではマッチングアプリが定着しているようだ。

では、マッチングアプリの出会いが増えた理由はどんなことが考えられるのか? 調査した明治安田生命の担当者に詳しく話を聞いた。

新たな出会いのかたちとして定着しつつある

――1年以内に結婚した夫婦の出会いのきっかけで、「マッチングアプリ」と「職場での出会い」がトップという結果をどうみているの?

マッチングアプリが新たな出会いのかたちとして定着しつつあるということと同時に、コロナ禍での出社制限の緩和等に伴って、出会いの王道ともいえる職場での出会いも回復しつつあるのではないかとみております。


――マッチングアプリの出会いが増えた理由は、どんなことが考えられる?

マッチングアプリを使用したきっかけについては、「手軽に出会えるから」(46.7%)、「職場に出会いがないから」(46.7%)が同率トップとなっております。

身近に出会いがない人にとって、マッチングアプリが手軽に出会いを探すためのツールとして認識されていることに加えて、コロナ禍で職場への出社・飲み会や、対面での各種イベントが制限されていたことも、マッチングアプリでの出会いの増加に寄与しているのではないでしょうか。

※画像はイメージ
※画像はイメージ

――前回の調査と比べ、出会いのきっかけで変化があったのはどんなところ?

「職場での出会い」(25.0%)が回復傾向にあることです。新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類感染症」に移行したことに象徴されるように、コロナ禍による制限が少しずつ緩和されてきたことが影響していると考えています。

婚活は時代背景や当時のトレンドが反映

――マッチングアプリを利用するハードルは下がっている?

マッチングアプリを使用した理由を聞くと、「手軽に出会えるから」(46.7%)、「職場に出会いがないから」(46.7%)が同率トップとなっています。このことから、手軽に出会うことのできるツールとして、利用へのハードルは下がっているのではないかと推察いたします。


――「婚活をしたことがある」と回答した人は15.4%、これは多い?少ない?

20代から70代までの回答者の平均値となっておりますので、15.4%という数値だけをみて、多いか少ないかということは言い切れませんが、年代別にみていくと、婚活経験ありとの回答が、70代は10.0%であるのに対して30代では21.1%と増加しております。

婚活の方法についても、70代ではお見合い(66.7%)がトップであるのに対して、30代では婚活パーティー・イベントがトップとなっていることから、自分から能動的に結婚相手を探す「婚活」を経て結婚に至る人は、増えていると言えるのではないでしょうか。


――他に、婚活に関する調査の中で驚いたことはある?

婚活の方法について、年代ごとの1位をみていくと、それぞれの年代ごとに特色があったことです。

20代では「マッチングアプリ」(51.0%)が首位でした。SNSの浸透により、インターネット上のコミュニケーションに抵抗の少ない若者ならではの傾向かもしれません。30代・50代では「婚活パーティー・婚活イベント」(30代:50.9%、50代:54.1%)が首位です。当時、婚活にまつわるテレビ番組やバラエティーが流行していた影響ではないかと考えております。

40代では「合コン」(48.9%)がトップです。トレンディドラマなどで、合コンのシーンが多く登場していた影響かもしれません。60代・70代では「お見合い」(60代:60.0%、70代:66.7%)がトップであり、70代では「文通」との回答もありました。このように、婚活方法には時代背景や当時のトレンドが反映されていることに驚きました。



マッチングアプリを利用する人が増えた背景には、コロナ禍での対面イベントの制限が影響しているようだ。コロナ禍を経て「職場での出会い」は回復傾向にあるとのことだが、このマッチングアプリでの出会いが今後は主流になっていくのかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。