自治会のごみ当番だった母子2人が、早朝に県道沿いのごみ置き場のそばで倒れているのが見つかり死亡が確認された。事故で負ったとみられるケガをしていたことから、警察はひき逃げ事件も視野に捜査を始めた。現場は見通しの良い直線道路で、付近の住民は「スピードを出す車もあった」と話す。

59歳の母と33歳の息子が死亡

親子が倒れていた県道163号(沼津市)
親子が倒れていた県道163号(沼津市)
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2024年1月15日午前5時40分頃、静岡県沼津市松長の県道沿いの住宅の敷地内で2人が倒れているのを、通りかかった人が見つけ消防に通報した。
2人は近くに住む59歳の母親と33歳の息子の親子で、消防がかけつけた時に既に意識はなく、2人とも病院で死亡が確認された。

親子が倒れていた場所
親子が倒れていた場所

倒れていたあたりには血が流れていたそうだ。お互いを守ろうとしたのだろうか2人は重なるように倒れていて、息子は胸を、母親は頭を強く打ち、いずれも事故で負ったとみられるケガをしていたという。警察はひき逃げ事件も視野に捜査を始めた。

せまい路側帯にごみ置き場

倒れていたのは、ごみ置き場に隣接する住宅の敷地内だ。2人は現場から50mほどのところに住んでいて、自治会のごみ当番だった。当日は燃えるごみの回収日で、親子はごみを出す人たちのために、ネットを張るなどの準備をしていたとみられる。

親子が倒れていた場所を示す雨宮記者
親子が倒れていた場所を示す雨宮記者

雨宮帆風 記者:
2人が倒れていたのはゴミが集められていた場所のすぐそばで、道幅は人が1人がやっと歩けるほどの狭い道幅となっています

ごみ置き場は幅1メートルほどの路側帯に設けられていた。記者が歩いてみても、その狭さがわかる。「せまいのでごみ置き場の場所を変えた方がいいと思っていた」と話す住民もいた。

直線道路 スピードを出す車も

現場を通る県道163号(東柏原沼津線)は駿河湾北岸の沼津市と富士市を結ぶ片側1車線ずつの道路だ。国道1号や県道380号などの主要道路と並行して走っていて、特に通勤時間帯などには抜け道として利用する人も多いそうだ。

現場付近は、見通しのよい直線道路が長く続き「スピードを出す車もある」と付近の住民は言う。
近くの小学校に通う児童の保護者は、ごみ置き場の反対側にある、より広い歩道を歩いて通学するように子供に教えているという。2人の死亡が確認された15日の午後、小学校は児童に集団で下校するよう指導し、職員が付き添った。

1月の静岡県の日の出時刻は午前7時頃で、親子が倒れているのが見つかった午前6時前は、まだ暗い。警察は翌16日午前5時から6時過ぎまで12人体制で現場付近の検問を行い、目撃者などを探した。
現場に目立ったタイヤ痕や、車の部品などの遺留物はないとみられる。警察は現場付近に案内板を立て、情報の提供を呼びかけている。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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