「お手伝い」と「旅行」を組み合わせた新しい旅のカタチ=「おてつたび」が今、若者を中心に人気だ。
働きながらの旅行がなぜ人を引きつけるのだろうか。
「おてつたび」とは?
2023年12月10日。3人の若者が「お手伝い」と「旅行」を組み合わせた、1週間の「おてつたび」を始めた。

「新しい場所、新しい人、新しい経験にめちゃくちゃワクワクする人間で。この何か月間で5回目っていうくらい、どっぷりハマってます」」(岡山県から来た山下 佳音さん)
「ゆっくり北海道に来たくて、長く滞在していてもお金がかからない。むしろもらえる」(宮城県から来た高橋 真理さん)
「土に触りたい。自然に触れたい」(小樽市から来た鈴木 日奈子さん)
到着したのは、新篠津村。

一人部屋で、宿泊費は無料。
「おてつたび」では受け入れ側が泊まる場所を準備することになっている。

3人を受け入れたのは、大塚裕樹さん。新篠津村で農場を経営している。
大塚さんは食事の心配もしていた。
「みんな遠くから来てくれて、交通費もたくさんかかっているから、そういう思いもあってやってます」(大塚さん)
新しい旅のカタチが人気
普段はカメラマンの仕事をしているという鈴木さん。
旅行気分で朝ごはんも「パシャリ」。1個100円の卵は卵かけご飯にして食べました。
午前7時30分。
「お手伝い」がスタート。
作業場にはこの道11年の菊池名代子さんがいた。まさにプロの技だ。
「まだ力加減がけっこう難しい」(山下さん)
立ちっぱなしで慣れない仕事を2時間半。見ていても大変そうだった。

「できました。皆さんむいたやつですよ」(菊池さん)
この道11年のプロ、菊池さんからサツマイモの差し入れ。
皮をむいたサツマイモはおなじ厚さに切っていく。これを乾燥させて、干し芋にする。
「おてつたび」の間は毎日8時間労働。時給は960円だ。
「おてつたび」だからできること
仕事のあとはジンギスカン・パーティーも開かれた。

「普通の旅行だったら、こういうの絶対ない。おてつたびだからできていること」(高橋さん)
夜の自由時間、向かったのは道の駅の温泉。「おてつたび」の「旅」の部分を満喫しているようだった。
そして売店で見つけたのは、パック詰めをお手伝いした干し芋。

「おてつたび」は専用のホームページに登録して、受け入れ先とマッチングされる。
「おてつたび」受け入れ先は全国1200社
受け入れ先は全国で1200社に上り、5年前に始まって以来、18歳から84歳の約4万9000人が登録している。

「ただ雪景色だとか、畑の景色だとか、サツマイモの加工の仕事を『本当に楽しい』『面白い』って言ってくれる人たちと出会って、自分たちのやってることはもっと価値があるんじゃないかなって。ちっちゃいことですけど、発信できたらと思って頑張ってます」(大塚ファーム 大塚さん)
大塚さんは、ほうれん草のビニールハウスで、3人に収穫を体験してもらった。

1週間の「おてつたび」。みんな、大満足だったと話していた。