北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母・早紀江さんは11日、金正恩総書記が岸田首相に送った能登半島地震のお見舞いメッセージに触れ、「今までになかったことなので、ぜひ活用して活路を開いてほしい」と政府に訴えた。
首相官邸で早紀江さんとともに林芳正官房長官と面会した「めぐみさんとの再会を誓う同級生の会」のメンバーが明らかにした。
早紀江さんは、拉致問題を担当する林長官と面会した際、「本当に元気なうちに何とかして会いたい。お父さん(滋さん)の分も、どんなに会いたかったか」と述べ、「第一に帰国をさせるということに努力いただきたい」と、めぐみさんら拉致被害者の帰国の実現を訴えた。
これに対し、林長官は「皆様方に寄り添いながら、しっかり事に当たっていくことが何よりも大事だ」と応じた。
一方、金総書記は6日、岸田首相に宛てて「一日も早く地震被害から安定した生活を取り戻すことを願う」とする異例のメッセージを送っているが、林長官との面会後に取材に応じた同級生らによると、早紀江さんは、このメッセージにも言及。
早紀江さんは「今までなかったことなので、ぜひそれを活用して、活路を開いてほしい」と林長官に訴えたという。
同級生らは、「早紀江さんも(金総書記のお見舞いメッセージに)びっくりしていて、もしかしたら日朝会談も今年中にあるんじゃないかと思っている」と明かした。