能登半島地震の被災地へ関西からの支援の動きが続いている。
そんな中、地震直後から被災地に入った医師が、現地の過酷な医療環境を語った。

8日まで珠洲市で医療支援にあたっていた大阪の済生会千里病院の救命医の伊藤裕介医師。
災害時の医療支援を行うNPO「HuMA(災害人道医療支援会)」の一員として、震度6強を観測した珠洲市宝立地区の避難所や高齢者施設で活動した。
HuMA伊藤裕介医師:パッと見て、高齢者が多いと思った。避難所を見ていると。水・電気・ガスがほぼない状況だった。(救援)物資が炭水化物が多いので、生活習慣の悪化・血圧がストレスであがるのは必須だと思いました。

500人以上が生活をする宝立小中学校の避難所に「救護所」をつくり、医療チームで泊まり込みで診察を行った。
HuMA伊藤裕介医師:(Q.高齢者多い?)ほとんど高血圧持っていた。一応持っていた薬で、何とかちょっとずつ出して。薬を移動して持ってきてくれるような、薬剤師団体が途中で入ってきて、だんだん良くなっていった。今回、特徴的だったのは高齢者・介護の必要な人が多く、認知症の方の精神症状の悪化が結構あった。

さらに、救護所での診察の半数を占めたのが、発災時のケガだった。
HuMA伊藤裕介医師:発災当初にけがをして、逃げるために一生懸命で何が起こったか分からない。通常の医療だったらけがのところ縫うことが多いのですが、できなくて自分たちで処理してるのが多い。3~4センチ切れていました。頭とか、そのままなんですよ。仕方ないから自分でティッシュで血を止めてティッシュが付いてたり。

そして、過疎がすすむ能登地方の医療面の弱さも浮き彫りとなった。
HuMA理事 夏川知輝医師:阪神淡路大震災は、周辺に医療機関がたくさん近くにあり、大都市の中で。ほんの50キロ離れた所に、生き残っている医療機関がたくさんあった。大都市大阪がすぐそばにある。(能登は地域で)唯一の医療機関が被災をしてダメージ受けた。周辺には医療機関がもともとないという状況で起きている。
HuMA 伊藤裕介医師:いろんな地震を経験したことで、いろんな団体の方がサポートしてくれる。(被災地の)困難さが多少解決しているような。今回は感じました。
■相次ぐ災害発生において、調査や支援などにかかる費用のために寄付を募っています。
NPO「HuMA」(ヒューマ)災害人道医療支援会 で検索してください。
(関西テレビ「newsランナー」2024年1月9日放送)