記者リポート:午後1時すぎです、警察官らが、焼け跡に足を踏み入れました、これから、捜索が行われます。

依然として50人ほどと連絡が取れていない、石川県輪島市の朝市通りでは、9日午後、警察による約100人態勢の大規模な捜索が始まった。

日本三大朝市の1つで観光名所の朝市通りは、地震直後に大規模な火災が発生し、約200棟が焼失した。

この捜索を、心配そうに見つめる人がいた。

西田晴美さん(85):この火事がなければと思って、悔やまれてなりません。どんな形でもいいから、なんでも見つかってほしい。

娘と2人でこの通り沿いに住んでいましたが家は全焼したということだ。今も、複数の友人の安否が分かっていないと話す。

西田晴美さん:ただ涙だけ出ます。火事を恨みます。火事さえなければ、その一心。

どんなに小さくてもいいから、友人たちに繋がる手がかりが欲しい。

多くの人たちが望みをかけるこの捜索は、1月13日まで行われる。9日午後2時時点で死者は202人、安否不明者は102人となっている。

■きょうから新学期 再会を喜ぶ声の中、再開めどの立たない学校も

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一方、羽咋市の小学校では冬休みが終わり、新学期が始まった。

学校からの指示で多くの保護者が車で子どもを送り届けていて、避難所から登校する児童もいた。

保護者:まだ学校行けない避難されてる方もいる中で、こうやって学校行けるってことは幸せなこと。

始業式では、地震の犠牲者に黙とうがささげられ、校長先生は「大変厳しいことを、みんなで団結して乗り越えていこう」と子供たちに呼びかけた。

担任:あんまり地震の話をすすんでしたくない人もいるだろうから、お互い気を遣いながらですけど、大丈夫?先生も寝不足だけど、みんなも寝不足だと思うから、お互い声かけあおうね。

小学6年生:地震があってから大丈夫かなと、心配の気持ちがすごくあったので、みんな笑顔だったのでよかったなと思いました。

避難生活の場となり、始業式の実施がかなわなかった学校も。

避難所となっている石川県珠洲市の小学校では、教室の中で被災者が寝泊りをしている。

9日から始まる入浴支援のため通路を作る準備が行われていた。

高校2年生:2024年まだ一回もお風呂に入れてないのでうれしいです。早く学校に行きたい気持ちもあるけど、ちゃんと学校もきれいになってから、行きたいというのもあって…。

石川県内では、珠洲市や輪島市などを中心に、全体の4分の1にあたる86校で学校の再開のめどが立っていない。

■珠洲市では罹災証明の受付が開始

記者リポート:珠洲市役所です。こちらでは9日、朝8時半から罹災証明の受付が始まっていて、さっそく多くの人が訪れています。

珠洲市内にある住宅について市長は「9割が全壊、または、ほぼ全壊」したと話している。

地震による住宅の被害の程度を証明する罹災証明を受け取ることで、支援金や災害義援金の受け取り、仮設住宅への入居申請などが行えるようになる。

罹災証明の窓口では、千葉県などから支援にきた職員が対応していた。

千葉市職員:どのぐらい(期間が)かかるか分からないです。申し訳ないです。

罹災申請にきた被災者:全部、家解体したら、解体だけでも300万~500万円かかる。そんな金まったくない。だからすごく不安。

罹災申請にきた被災者:全壊ですね。ぺしゃんこ。罹災証明書もらわないと、保険とかいろんな手続きできないでしょ。とりあえず早くしたいってことで、来ました。

■進む避難所開設の準備 金沢には「1.5次避難所」も

現在、石川県内だけで2万6000人以上が避難生活を送っていて、避難所の中には、収容人数を超えている所もある。

そのため石川県は、震源地から約110キロ離れた金沢市の体育館に一時的な「1.5次避難所」を設けた。

ここには、約250のテントが設置され、500人ほどの被災者を受け入れることができます。現在は、23人がここに避難している。

さらに、国土交通省は、「2次避難先」として、石川・富山・新潟・福井の4県にある73カ所のホテルや旅館であわせて2500人余りを収容できるよう準備を進めている。

9日午後には、この場所から、「2次避難先」へ移るための受け付け窓口も開設された。

■先が見えず「希望が見えない」 なんとか毎日を過ごしている

地震発生から9日で8日になる。
先が見えない中で、被災者からはこんな声も…

被災した人:これがいつまで続くのか見通しが立たないのと、帰っても家がない。さらに断水が本当にいつまで続くのかわからない中で、希望が見えないというか、先が見えないというか、という中で、なんとか励ましあいながら、なんとかなんとか毎日を過ごしている状態。

被災した人:やっと、(避難所で)隣の人と会話ができるようになりました。昨日ぐらいからやね。それまで、どうしたらいいか分からないし、みんなの顔色をうかがっては、会話もできませんでしたね。

被災した人:『ここはいつまでいれるんか?』とか、『お金がないしどうしようか』とか、相談来るんですけど。そういう心のケアをどうしようかなと。『生きているの嫌になってきた』とか言うのを、『そんなことないとか』いろんな事を話をして…。

過酷な避難生活が続く中今、被災者に必要な心のケアとは?

(関西テレビ「newsランナー」2024年1月9日放送)

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