能登半島地震の影響により、石川県内ではいまだに24の集落、3300人以上が孤立状態となっています。(8日時点)

「めざまし8」は、石川県穴水町で孤立している集落のひとつ、麦ケ浦地区の今を取材しました。
孤立した集落で生活する人々
車がなんとか1台通れるか通れないかという雪道を、麦ケ浦地区に向けて進む取材班。

田中良幸キャスター:
車1台がやっと通れるような道です。ただでさえ道路状況が悪いのに雪が積もってガタガタで…。もうこの先から行けないですね、重機で撤去作業が行われています。

重機による懸命な復旧作業が行われていますが、徒歩で向かうしかありません。
雪が積もった道路の先にあるのは、穴水町麦ケ浦地区。20人が孤立状態にあるといいます。

田中良幸キャスター:
奥に住民の方が、いらっしゃいますね。すみませんフジテレビです。みなさん、けがはなかったですか?

孤立集落に住む男性(70代):
うちの中に娘と2人でおったけど、かろうじて机と作業台の下でカバーして、その間にそれでよかった…。

――この隙間ですか?
ちょうどここにはさまったような感じ。
――ご自身がここにいたというのをご覧にになっていかがですか?
誰か手を合わせてくれて助けてくれたと思ったわ。
地震が発生した当時、倒壊した小屋のわずかな隙間で助かったという男性。避難所に行かないのか聞いてみると…。
孤立集落に住む男性(70代):
避難所は1回行ったけど、とてもおられん。暖もとれんし。みんなで助け合ってやっているけれど、こんなでかい地震がくると思わんかった。
今も地震が続いていますが、自宅にとどまる人も少なくありません。

1人暮らしをしているという馬道百合子さん(82)に、水や食料はどうしているのか聞くと、数日前から自衛隊が運んでくれていると話します。

――水が来たのはいつですか?
馬道百合子さん(82):
これは自衛隊さんから3日、4日かな?運んでくれて。私、腰が曲がっているものだから一滴でも大事やわ。みんなこうしてきてくれて、力になるわ。

取材中にも、物資の補給に現れる自衛隊の姿がありました。
隊員に必要な物資を伝えているのは、住民のまとめ役・細川次郎さん(70)です。

――物資の量は足りていますか?
細川次郎さん(70):
はっきり言うて大丈夫です。欲を言えばきりがない。トイレットペーパーも灯油も分け合って使っています。

――電気の復旧の見通しは立っていませんが
穴水の町がこんなになっているところを見たら、あっちを優先せざるを得ない。

自衛隊の助けや住民同士の支え合いもあり、なんとか今は生活できているといいます。
しかしこの先について話が及ぶと、不安を口にしました。

細川次郎さん(70):
不安ですね…。少なくとも、この家には住めないですから。

自宅の被害に加えて、長年仕事として続けてきたカキの養殖にも大きな影響が出たといいます。

細川次郎さん(70):
ここはカキ貝をやっている集落で。私のところのカキ棚は、かなり被害がいっていますね。カキの作業場も被害がいっていますし、船をつける桟橋は…壊れたので。この機会にやめようかなと思っています。
何よりも、ここにおれるかおれへんかということもありますからね。
(めざまし8 1月9日放送)