経験したことのない大きな揺れに襲われた2024年の元日。富山県では観測史上初めて震度5強に見舞われた。今後2週間ほどは同程度の地震の可能性があるという。命を守るためにどんな備えが必要なのか。富山県防災士会の佐伯邦夫顧問に話を聞いた。

富山県防災士会 佐伯邦夫顧問
富山県防災士会 佐伯邦夫顧問
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「家具の固定は‟L字金具”で」

富山県防災士会 佐伯邦夫顧問:
「家具の固定はしっかり壁にうちこまないといけない。少々の揺れではびくともしないように固定する必要がある。その際、L字金具。食器棚と壁を完全に固定している。震度6弱でも倒れてくることはない」

佐伯さんが特に強調するのは、「家具の固定」だ。阪神淡路大震災や新潟県の中越地震では、多くの人が倒れてきた家具の下敷きになり死亡した。

壁と家具を固定するL字金具
壁と家具を固定するL字金具

富山県防災士会 佐伯邦夫顧問:
「突っ張り棒も売っているが、縦揺れや横揺れで倒れてしまう可能性がある。一番手軽で強固なのはL字金具」

佐伯さんは、冷蔵庫や食器棚、テレビなどの大型家具は「L型の金具」で固定し、寝室や子ども部屋はできるだけ家具を置かず、置く場合は、背の低いものにして、出入り口をふさがないよう注意が必要だと話す。

「防災バッグは1年1回点検を」

富山県防災士会 佐伯邦夫顧問:
「ケガ用のエイドキットは絶対必要。それからラジオ、懐中電灯。それと、今皆さんトイレに困っている。(携帯トイレは)1回使用したら捨てる。我が家の場合は、100個、200個単位で準備している」

いざというときに欠かせない防災バッグ。佐伯さんは、薬やオムツなど個人で必要なものが何かを最低1年に1回は家族全員でチェックし、まとめたものを普段過ごすリビングや玄関に置いておくのが良いと話す。

また冬の時季に加えておきたいのが「防寒具」。避難場所によっては防寒対策が不十分な場合もあるため、手袋やマフラー、帽子などに加え、使い捨てカイロや小さく折りたためる非常用のブランケットも必要だ。

富山県で観測史上初めて震度5強を観測した能登半島地震。佐伯さんは、災害経験の少ない富山県民はこの地震を教訓しなければいけないと訴える。

「心配なのは‟子供”ではなく‟大人”」

富山県防災士会 佐伯邦夫顧問:
「これ(能登半島地震)を機会にと言えば語弊があるが、家族みんなで話し合ってほしい。小学校に行くが子どもさんたちはしっかりしている。むしろ心配なのはお父さん、富山は災害ないからと言って。富山は災害の経験がなく、ノウハウがない。これをきっかけにして、あり方を本当に真剣に考えないといけない」

気象庁によると1日の地震発生から震度1以上の地震は800回を超えた。地震の専門家は、ここ数日は1日の地震と同程度の地震が発生する可能性があるとしている。

避難場所や避難経路を事前に確認し、家族で話っておくことも重要だ。今一度、地震への備えを改めて考えてみてはどうだろうか。

(富山テレビ)

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