2024年3月の熊本県知事選挙をめぐり、自民党県連が12月27日に副知事の木村敬氏に出馬を要請した。木村氏は出馬要請を前向きに受け止め、「年明け1月4日以降に自民党県連に回答したい」としている。

自民党県連が木村敬氏に出馬要請

【自民党県連・前川收会長】
最終的に我が党としては最高の候補者として木村敬氏、現副知事に出馬要請をするということを決定した。

自民党県連は、蒲島知事が「5選不出馬」を表明した12月6日、選考委員会を設置。2022年内に候補者を選定する方針のもと、党所属の県議に各地域の意見を取りまとめるよう指示していた。

県連は12月27日、選考委員会を開き、副知事として蒲島知事を近くで支えてきた木村氏に出馬を要請することを全会一致で決め、その後の役員会で正式に決定。

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終了後、前川收会長が木村氏に直接電話をかけ、出馬を要請したということだ。

【自民党県連・前川收会長】
今の蒲島県政の大きな流れを変えることなく継承し、その上で、新しい県政のステージをつくることができる人、木村さんが最適任だということになった。

一方、木村氏が熊本出身ではないことについて前川会長は「出身がどこかよりも熊本県を引っ張っていく資質があるかが大事だ」と述べた。

【自民党県連・前川收会長】
熊本県のことをしっかり大事に思っていただき、その情熱を持っていただいている。〝余人を持って代えがたい〟ぐらい、熊本で一番、熊本のことを知っている人だと確信しています。

木村敬氏は東京都出身の49歳。

蒲島知事の東大教授時代の教え子で、1999年に現在の総務省に入り、2012年7月から2016年4月まで熊本県に出向し、総務部長などを歴任。2020年10月から副知事を務めている。

木村氏「前向きに受け止め回答」

木村氏は、自民党県連から出馬要請を受けたことについて12月27日午後、県庁の副知事室で取材に応じた。

【熊本県副知事・木村敬氏】
蒲島県政をこれまで支えていただいた方々から要請をいただきましたことは大変重く受け止める。重く受け止めるということは前向きか、後ろ向きかといえば当然、前向きだが、私は現職公務員としての立場があるのでそれ以上のことは差し控えたい。

木村氏はこのように述べた上で、家族や総務省、親交のある県内の市町村長らと相談し、年明け早々には自民党県連に回答する意向を示した。

また、出馬の判断に当たっては「選挙に立候補した経験がなく、熊本出身ではないという2つのハードルを乗り越える必要がある」と述べた木村さん。

熊本への思いを次のように話した。

【熊本県副知事・木村敬氏】
11年前に熊本に初めて赴任してから11年間、365日熊本のことを考えてきたつもりでいる。その思いを形にしていきたい。

幸山氏:木村氏との3つの違いを強調

一方、12月26日に出馬を表明した元熊本市長の幸山政史氏は、今後、支援の要請を検討していた自民党県連の決定について次のように話した。

【元熊本市長・幸山政史氏】
12月26日(自民党県連に)挨拶に行ったが、自民党が木村氏に出馬を要請したことは残念。組織として決定したことだから仕方がないこととして受け止めなければならない。
幸山さんは木村さんとの違いについて3つの点を強調した。

【元熊本市長・幸山政史氏】
熊本愛と熊本市長を経験していること。一人の市民・県民としての感覚が違いとして言えるのではないか。

蒲島知事「助言をする必要はない」

東大教授時代の教え子で、蒲島県政を支えてきた木村氏が出馬要請を受けたことについて、蒲島知事は…。

【蒲島郁夫知事】
後継者指名は私はしない。彼にはそれが必要ないと思っている。彼がまだ大学生のときからゼミ長として見てきた。県庁でも課長、部長、そして副知事と一緒に仕事をしてきた。

蒲島知事は木村氏は「確固たる信念と考えを持つ人で助言をする必要はない」と述べた上で、木村氏が出馬した場合、「マイクを握るなどの応援をすることはない」と話した。

県知事選挙は2024年3月7日告示、24日投開票だ。

(テレビ熊本)

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