JR西日本が12月15日、IC乗車券「ICOCA」の利用エリアを2025年春に拡大すると発表した。拡大されるのは、山陰本線の鳥取-倉吉間の各駅。JR西日本エリアの県庁所在地で唯一、ICカード対応の改札機がない鳥取駅でもようやく「ICOCA」が使えるようになる。

鳥取でついに「ICOCA」導入決定

JR西日本山陰支社は12月15日、山陰本線・鳥取-倉吉間の10駅に2025年春、IC乗車券「ICOCA」に対応する改札機を新たに導入すると発表した。

この記事の画像(5枚)

JR西日本のIC乗車券「ICOCA」は、山陰エリアでは2016年に導入され、これまで山陰本線の伯耆大山 - 出雲市間と境線の各駅、それに伯備線の根雨駅と生山駅で利用できる。

これが2025年春、利用エリアが山陰本線の鳥取駅まで拡大される。米子 - 鳥取間を乗車する場合、IC改札機が設置されない淀江から下北条までの区間の駅で途中下車しなければ、ICOCAの利用が可能だ。

ICOCA導入に歓迎の声

会見の中で、JR西日本山陰支社の佐伯祥一支社長はエリア拡大の背景について「(鳥取市など)鳥取県東部エリアからICOCA導入の要望を受けてきた」と説明した。

JRで通学する高校生や専門学校生からは「ICOCAがあれば、みんなもすぐ改札を通れるようになり、時間の余裕が出るのでいい」「いちいち切符買わなくていい。改札が便利になるかなと」「切符は現金で買わないといけない。クレジットカードも使えないので、ICOCAはありがたい」など歓迎する声が多く聞かれた。

鉄道の利便性向上へ

1日に約4,200人が乗降する鳥取駅。県内で最も利用者の多い駅だが、JR西日本管内の県庁所在地の中心駅では唯一、改札でICOCAが使えない。今も改札では、職員が手作業で切符を確認している。

改札に立つ職員は1人で、朝の通勤・通学時間帯には乗客が集中し、長い列ができることもあるということだが、ICOCA導入後はこうした昔ながらの改札の風景が鳥取駅からも消えることになる。

事業者を超えて全国で普及が進むIC乗車券。ICOCAのエリア拡大は、地域の足として、またインバウンドなどの旅行者にとっても、鉄道の利便性向上につながりそうだ。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

鳥取・島根の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。