自動車メーカー・ダイハツが車の安全性試験で不正を行っていた問題で、国土交通省がダイハツ本社に立入検査に入った。

■確認された不正は64車種 国交省がダイハツ本社に立入検査に

21日午前9時、大阪府池田市のダイハツ本社に、検査を行う国土交通省の職員が入った。

ダイハツはすべての車種の出荷を停止(関西テレビ)
ダイハツはすべての車種の出荷を停止(関西テレビ)
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ダイハツは20日、車の安全性を確認する試験で174件の不正行為を行っていたことを発表し、国内外すべての車種の出荷を一旦停止することを決めた。

不正行為が確認されたのは64車種にのぼる。調査を行った第三者委員会は、会社内の開発プロジェクトなどの無理のあるスケジュールで従業員が追い込まれ不正行為を行ったと指摘していて経営幹部に責任があるとしている。

会見するダイハツ・奥平総一郎社長(20日)
会見するダイハツ・奥平総一郎社長(20日)

■「困ったときに声をあげられない職場環境風土を放置してきた」

調査結果を受けて20日に開かれた会見で、奥平総一郎社長は「(不正行為の原因は)経営陣、管理職が現場の負担や辛さを十分に把握せず困ったときに声をあげられない職場環境風土を放置してきたことにあると考えている。プロジェクト推進を優先し法令、ルールを守れない企業文化が形成されたと考えており、全ての責任は経営陣にあります」と述べた。

21日、立ち入り検査開始を受けて取材に応じたダイハツの広報担当・コーポレート統括本部の井出慶太統括部長は「不正が発覚し、昨日報告したということからも、当然ながら改めて当局の目で私どもの中身を見ていただくのは必要な措置だと思っているので、全面的に協力をさせていただいて、一日も早い信頼回復に取り組んでいきたい」と語った。

「検査には全面的に協力をさせていただく」
「検査には全面的に協力をさせていただく」

また、販売店や購入者に対しては「出荷済み・検査済み・登録済みの車両に関しては、原則的には所有権がメーカーから販売店、お客様に移っていくということになるので、お客様がいただきたい(車を受け取りたい)という声があればお渡しするし、嫌だという声があれば、柔軟に対応したいと思っています」と話した。

(関西テレビ「newsランナー」12月21日)

関西テレビ
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