インフルエンザ流行の影で、いま子どもたちの間でプール熱が大流行している。

夏のイメージが強いプール熱だが、なぜいま流行しているのだろうか?

「プール熱」が大流行 学級閉鎖も

病院を訪れた、発熱やせきなどの症状がある5歳の男の子。

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診察の結果、病名は。

「俗にいうプール熱。咽頭結膜熱という病気」(円山ため小児科 多米淳 院長)

いま、インフルエンザとともに流行しているのがプール熱。

アデノウイルスが原因で、39度前後の発熱・喉の痛み・結膜炎などが主な症状だ。

提供 札幌市衛生研究所
提供 札幌市衛生研究所

飛沫感染や接触感染が主な感染経路で、患者の多くが5歳以下の子どもだ。

「少し前にアデノウイルスで学級閉鎖になっていた。熱がすごく続いていたので、もしかしたらと思っていた」(保護者)

夏に流行するイメージの強いプール熱だが、北海道内では10月ごろから感染者が急増。

1医療機関当たりの患者数が「8.05」と警報レベルの「3」を超えている。

札幌市中央区の「円山ため小児科」ではわずか1時間で3人がプール熱、5人がインフルエンザと診断された。

「インフルエンザやアデノウイルスの流行で、10月中旬から12月まで忙しい状態が続いている」(円山ため小児科 多米院長)

「プール熱」なぜ流行?

札幌市保健所によると、2023年はプール熱の感染者数が過去10年で最多だという。

「新型コロナの5類移行後半年以上たち、人の動きが活発になってきた。4年ぐらい新型コロナウイルス対策をしたので、免疫を持つ人が少なくなった」(多米院長)

新型コロナの感染対策でマスクの着用や手洗いなどが徹底されたため、免疫が低下し感染が広がっているという。

予防するには?

プール熱を予防するためにはどうしたらいいのだろうか。

「アデノウイルスはアルコール消毒が効きにくいと言われている。流水で、せっけんをつけてウイルスを洗い流すという処置が必要」(多米院長)

手洗いやうがいのほか、アデノウイルスには次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水による消毒が効果的と言われている。

札幌市中央区の「認定こども園さゆり幼稚園」では、せっけんを使った手洗いを徹底しているほか、次亜塩素酸水を使って手すりやおもちゃなどの除菌を行っている。

「みんな元気で来てほしいと思うので、いかに感染させないようにするか気を使いながら過ごしている」(認定こども園さゆり幼稚園 入山美穂 園長)

10月以降、プール熱による欠席者は2人にとどまっているという。

注意はいつごろまで必要なのだろうか?

「アデノウイルスはまだピークアウトしていない。年内は注意が必要」(円山ため小児科 多米院長)

感染の拡大を防ぐために心がけるべきことは。

「基本に戻って手洗いを流水でする。寒くなってきたが、換気をきちんとする。必要な場合はマスクを着用する。そういうことで感染の拡大を防ぐ」(多米院長)

基本的な感染対策の徹底が重要なようだ。

北海道文化放送
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