暑い、息苦しい、ゴムひもが痛い…。

今や「マスク」は新型コロナウイルスの感染予防に欠かせない存在だが、煩わしさを感じている人も多いことだろう。

特にカラオケファンにとっては「声がこもる」という大きなデメリットがあったが、この不満を解消する新機能が登場した。
 

画像提供:エクシング

その名は「マスクエフェクト」

7月7日からカラオケ「JOYSOUND」の最新機種に搭載されたこの機能は、マスクをしたままでも自分の歌声がクリアに聞こえるため、より気持ちよく歌唱することが可能だというのだ。

(※対象機種:JOYSOUND MAX GO、JOYSOUND MAX2、JOYSOUND MAXに対応したJOYPadキョクナビ(JR-P2000)のみで利用可)
 

出典:東京都

東京都の場合、カラオケ店は6月12日に東京アラートの解除とともに休業要請が緩和されていた。

しかし6月26日に公開された「事業者向け東京都感染拡大防止ガイドブック」の“カラオケ編”には入場者にマスク着用の徹底を周知するようにと記載。さらに“キャバレー・スナック等接待行為を伴う飲食店編”では、カラオケについてマスク着用で歌うことを要請するとされている。
 

出典:東京都

しかし、やはりカラオケをするのであれば、マスクをしていてもこもらない声で気持ちよく歌いたいはず。“withコロナ”の時代に登場した「マスクエフェクト」は、実際に歌声がどう変化するのか?

JOYSOUNDを運営する株式会社エクシングは、マスクをした社員が同じ曲を「マスクエフェクト」のONとOFFで歌った比較動画を公開している。

「マスクエフェクト」をONにすると、マイク音質の設定が「硬い」に、音圧が「大きい」に変更されるという。マスクをしての歌声に不満を感じていたカラオケファンは、音の違いを自身の耳で確かめて頂きたい。
 

なお「マスクエフェクト」の使い方はとても簡単。

JOYPadキョクナビの画面に大きく表示されている「マスクエフェクト」を押し、次の画面で「はじめる」ボタンを押すだけでマスクに適した音質に設定されるとのことだ。
 

画像提供:エクシング
画像提供:エクシング

たしかに動画では、歌声がはっきり聞こえているようにも感じるが、その秘密は何なのか? 

JOYSOUNDを運営するエクシングの担当者に聞いてみた。
 

マスクでこもる音域を補助

――「マスクエフェクト」開発のきっかけは?

新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、「マスクをして歌う」というこれまでにない状況の中、あるスタッフからマスクをしたままだと、どうしても声がこもってしまい、気持ちよくないという声が上がり、そこでいろいろと試した結果、気持ちよく歌えるエフェクトを見つける事ができた、という報告を受けました。それが、「マスクエフェクト」の開発のきっかけです。

実は、動画で歌っている社員が、今回のエフェクトを開発した本人なのですが、全国のカラオケファンが、新型コロナウイルスの蔓延により「行きたくても行けない、行き辛い」といった先の見えない我慢を強いられているなか、できるだけ早く、安心して気持ちよくカラオケを楽しんでもらえるようにと願いながら、開発に取り組んでいました。


――開発期間や苦労は?

開発期間は1カ月です。カラオケルームは小さな部屋から、大きなパーティールームまでさまざまなタイプがあり、また、店舗によってはマイクの種類なども異なるため、どのような環境でもハウリングが起きにくい音のバランスを探すのが、苦労した点です。


――「マスクエフェクト」はマイク音量を上げるのとどう違う?

単にマイクのボリュームを上げると、こもった声(マスクでの音の減衰によってバランスの崩れた声)自体が大きくなります。そのバランスの崩れた声がスピーカーから返ってくると、人によっては「歌っていて気持ち良くない」と感じる場合があります。

今回の「マスクエフェクト」は、カラオケ本体に搭載されているエフェクターを使用して、マイクからの入力音の音量や波形を調整し、マスクでこもりやすい「中~高音域」の出力を補助している形になります。

さらに、マイクの感度を調整し、標準よりもメリハリがある音質(硬い)に変更しています。これにより、口とマイクの距離がマスクによって少し離れていても音を拾いやすいようにしています。

実際に何人かのスタッフに試してもらいましたが、「マスクをしていない状態の声にかなり近くなった」と非常に好評です。歌声の小さな社員や、大きな社員など、個人の声質や特長に影響されずにエフェクトが体感できる機能に仕上がっていると思います。


――このコロナ禍でカラオケ店はどう変わった?

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、全国のカラオケ店舗が臨時休業を余儀なくされました。現在では、多くのカラオケ店舗が営業を再開しておりますが、より安心してお客様にご利用いただけるよう、各店にて人数制限などを実施しておりますので、平常時のような大人数での宴会利用ではなく、少人数でのご利用がメインとなっています。

現状では、新型コロナウイルスの収束の目途が立っておりませんので、カラオケメーカーとして、この「マスクエフェクト」をはじめ、カラオケの楽しみ方の新様式を皆さまに提案することでカラオケ業界の活性化を目指して参りたいと考えております。
 

北海道小樽市では「昼カラ」での感染が6月末から相次ぎ、40人の感染が判明。広島市でも7月15日、カラオケ店などで一緒に過ごした同じ会社の4人の感染が確認されている。

マスク着用や消毒などの感染対策はもちろん行っていただろうが、「3密」の状況になりやすいカラオケ店では、ちょっとした油断から感染してしまうのかもしれない。

なおJOYSOUND直営店では、業界団体のガイドラインに基づき、カラオケルーム、マイク、リモコンの除菌をはじめ、収容人数の50%までの入室制限や、使い捨てマイクカバーの用意などの感染予防対策を実施している。

マスクを外すのが不安だがカラオケは楽しみたいという人は、“withコロナ”の時代に始まったこんな新しいスタイルを試してみてはいかがだろうか。
 

【関連記事】
コロナ時代のカラオケ心得 「2m以上離れ歌う」「1m以上空けて座る」「マスク常時着用」 札幌市が提唱
待ち時間にちょいと1曲はいかが? 第一興商が提案する“電話ボックス型”カラオケが話題