農薬散布などでドローンの活用が拡大している。ドローンを飛ばすのに、場所によっては資格は必要ないが、2022年に国家資格ができたことで、安全性が重視され、活用の範囲が広がることが期待されている。ドローンの操縦スクールを取材した。
国家資格の実技試験に挑む
広島・廿日市市のドローンの操縦を指導するスクール。
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スクール受講者:
このたび、国家資格を取ろうと挑戦しています
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スクール受講者:
去年、国家資格ができるということでちょっと迷ったのですが、このたびチャレンジしました
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これまでドローンの操縦資格は民間のものだけだったが、2022年の12月の法改正で国家資格が加わった。
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国家資格には1等と2等があり、高い技術の1等だと、機体の登録認証を受ければ、4つある飛行レベルの最上級、レベル4の操縦ができる。レベル4とは、人がいる上空で目視外、補助者なしでの操縦。人がいる場所での物流やスタジアム上空の映像中継などが可能だ。
国家資格の実技試験は国土交通省が認めた登録講習機関(ドローンスクール)で行われる。
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(Q:結構いろいろな人が試験を受けに来ますね?)
ハニービーワークス 藤原弘幸社長:
国家資格になったことで以前より増えています。建築関係や土木や測量などの会社から取得しに来る人がメインです
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このスクールでは、国家資格になったこの1年間で300人以上の合格者を出しているという。そもそも国家資格と民間資格の違いは何なのだろうか。
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ハニービーワークス 藤原弘幸社長:
現状はそんな大きな差はないです
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差がない、とはどういうことなのか。
高レベルの国家資格なら人がいる上空、イベントでも飛ばせる
実は、国家資格は今後の大きな可能性を持っている。
ハニービーワークス 藤原弘幸社長:
ドローンの機体に関しても今後、新たな制度ができてくる。現状は「人がいない上空を飛ばしなさい」となっていますが、今後は国家資格保有者で国から認証を受けた機体であれば、人のいる所、イベントなどでも飛ばしてもOKということになってきます
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ドローンはその経済的効果も期待されている。国内のドローンビジネスは今後、大きく拡大すると財務省は予想している。特にサービス分野では2020年に約830億円だった市場規模は、5年後の2025年に、5倍以上の約4,300億円に急拡大するとしている。
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可能性が広がるドローンは、いま各地で様々な実証実験が行われている。離島や中山間地域に物資を運ぶ実験や、11月にはイノシシをドローンで追い込むという実証実験も行われた。
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一方で身近な所でも、すでにドローン技術は実用化されている。
スクール受講者:
資格を取る目的は農薬散布。庄原市の出身ですが結構、普及してきています。田んぼの中に入らなくていいとか体が楽です
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農業では、ドローンは数年前から実用化されている。10年前に立ち上がったこの会社ではスクールの他にこんな仕事も。
ハニービーワークス 藤原弘幸社長:
これは農薬散布用のドローンですが、シーズンが終わったのでメンテナンスをするために預かった機体です
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メンテナンスの依頼は結構来るという。
「ドローン女子」を増やしたい
藤原社長は会社を設立する以前から、30年近くドローンに携わってきたので、スクール以外にも様々な仕事をされている。そんな藤原社長が今、取り組んでいるのは…。
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ハニービーワークス 藤原弘幸社長:
ドローンは男性メインで動いているところがあるが、女性でも操縦は問題なくできるので、もっと女性が運用してもらえたらうれしいと思う
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藤原社長は女性のサークル「ひろしまドローン女子」を主催して、年に4回、撮影会などのイベントを開催している。
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スクール受講者:
どういう所に行ったら飛ばせるよねとか、なかなか1人では飛ばせないから今度一緒に行こうよとか、そういうドローンにまつわる話がたくさんあって楽しいです
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今、ドローンは我々の身近な存在になってきているが、藤原社長が次に注目するのは「物流ドローン」だという。
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ハニービーワークス 藤原弘幸社長:
いろいろな所で2024年問題などを聞きますから、「認証を受けた機体」で人の上を飛ばすことが可能になる。そうなると市街地でも物流も実現するのかなと思う
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ビジネスだけではなく、ドローンサッカーなどスポーツの世界にも活躍の場を広げるドローン。近い将来、私たちの暮らしに欠かせない存在になるかもしれない。
(テレビ新広島)