化粧品大手のコーセーは「雪肌精」を約40年ぶりにリニューアルする。
肌荒れ防止と美白の両方の効能がある成分を使用し、中価格帯商品の売上が伸び悩む中、顧客の要望に応えることで販売拡大を目指す。
「雪肌精」が初のリニューアル
化粧品大手コーセーが、発売から約40年たつブランドを初めてリニューアルし、販売拡大を狙う。
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今回コーセーがリニューアルするのは、中価格帯ブランド「雪肌精」で、2024年春に発売予定だ。
これまでは肌荒れを防止する成分を配合していたが、代わりに肌荒れ防止と美白の両方の効能が認められた成分を使用したという。
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物価高の影響で、節約するものとお金をかけるものをはっきりと使い分ける消費の二極化が進む中、化粧品業界では中価格帯商品の販売が伸び悩んでいた。
ただ、最近では効果があるものが欲しいとのニーズが高まり、販売量は回復しつつあるという。
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コーセー・小林一俊社長:
中価格帯のドラッグストアでの化粧品をしっかり選んで買う。カウンセリングをちゃんと受けたいというお客様が非常に増えている。(多いときで)年間にも数百億円売れていたので、それを超えるような実績になってくれたらなと期待している。
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コーセーは、肌荒れ防止だけでなく、美白も求める需要を取り込むことで、雪肌精の販売拡大につなげたい考えだ。
二極化で進む“中価格帯病”
「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
── ロングセラー商品による中、価格帯の強化ということですが、どうご覧になりますか?
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一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
コスメブランドにとって、2000~5000円程度の中価格帯化粧品は、販売数量が多く、それでいながら高額化粧品より簡素な容器で提供しています。
そのため、利益率が高い「ドル箱」的な存在であり、業績に与えるインパクトも大きなものがあります。
ただ、コスメ業界に限らず、さまざまな分野で高額商品と低額商品の二極化が進み、その真ん中が売れない「中価格帯病」といわれる現象が起きています。
コスメブランドにとって、この中価格帯を制するために必要なのは、圧倒的に差別化された商品を生み出すことです。
今回、コーセーは「雪肌精」のリニューアルにあたり、低価格帯のいわゆる「プチプラ」では提供できない最新のテクノロジーで、差別化を図ろうとしています。
堤 礼実 キャスター:
── その差別化とは、どういったものなのでしょうか?
一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
新しい「雪肌精」は、美白と肌荒れ防止の2つの効果をあわせ持つ、日本初の新しい有効成分が使われています。
化粧品には「成分買い」という言葉があるなど、期待が高い新しい成分はユーザーに歓迎されます。
日本人の場合、メイクによる美しさの演出より、素肌の美しさを好む傾向が強く、もともとスキンケア商品にはお金をかける行動が見られます。
肌の悩みを解決してくれる最新テクノロジーを使った中価格帯スキンケア商品は、顧客ニーズに応える可能性が高いといえそうです。
顧客の悩み解決で強い差別化へ
堤 礼実 キャスター:
その差別化こそ、中価格帯で支持されるためのカギになりそうですね。
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一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
中価格帯ブランドは価格では勝負できないため、顧客が本当に求めているものを提供することが重要になります。これを差別化の源泉としなければなりません。
差別化とは、他の商品やサービスにはない特徴のことですが、今回の「雪肌精」のように、その特徴がユーザーの悩みや課題の解決に応えてくれるものである。これが、強い差別化となります。
堤 礼実 キャスター:
基礎化粧品は毎日使うものですから、その効果はもちろん、コストパフォーマンスも気になりますよね。良い商品がたくさんある中で、ほかと差別化されていれば、新たな選択肢の1つになるのではないでしょうか。
(「Live News α」12月7日放送分より)