大学生の約4割が「コピペ」のショートカットキーを知らない。
こんな調査結果がマンガ形式のDX人材育成サービス「MENTER(メンター)」を提供するWHITE株式会社から11月22日に発表された。
調査の中で、大学生519人にパソコンの保有状況について複数回答で聞いたところ、「自分専用のノートパソコンを持っている」(83.0%)が最も多かった。次いで「自分専用のデスクトップパソコンを持っている」が12.7%で、ほとんどの大学生が自分専用のパソコンを持っていることが分かった。
WordやExcel、PowerPointといったパソコンスキルの習熟度については、「できる」(13.1%)と「まあまあできる」(48.7%)をあわせると約6割。一方で「全くできない」(3.9%)と「あまりできない」(34.3%)の合計は約4割だった。
また、キーボードでパソコンを簡単に操作するための機能「ショートカットキー」をいくつか提示した上で知っていたものを選んでもらったところ、「Ctrl+C(選択した項目をコピー)」は62.6%、「Ctrl+V(選択した項目を貼り付け)」は59.2%だった。
つまり、コピペ(コピー&ペースト)のショートカットキー(「Ctrl+C」と「Ctrl+V」)を知らない大学生が4割いるというのだ。
また、主要なショートカットキーを提示したものの、そのいずれも知らないという人が約2割(19.8%)いたことも分かっている。
ほとんどの大学生が自分専用のパソコンを持っているにもかかわらず、コピペのショートカットキーを知らない人が約4割もいる。この理由は何なのか?学ぶ機会がないということなのだろうか?
WHITE株式会社の担当者に聞いた。
「パソコンの使い方を学ぶチャンスが十分ではない」
――「ショートカットキー」に注目した理由は?
「大学生あるいは新卒は、デジタル/パソコンに詳しいはず」という考え方が、主に企業の人事部を中心に、40代以降のベテラン層には根付いているように感じていました。
ただ、「それは思い込みでは?」「AIやプログラミングなど、アカデミックなもの、あるいは高度なものは授業化されているが、実際社会でまず有効となるショートカットキーなど基礎を案外教えていないのでは?」と考え、今回、調査しました。
――ショートカットキーを知らない大学生は、コピペするときはどうしている?
マウスを右クリックして選択している、あるいは、コピーできずにタイピングを繰り返しているのだと思われます。
――やはりショートカットキーは知っておいたほうがいい?
知っておいたほうがいいです。理由は、単純にスピードにつながるからです。弊社の調査で、同じ作業を以下の2つのグループに分けて、行いました。
Aグループ:ショートカットキーや関数を禁止
Bグループ:ショートカットキーや関数の使用を許可
その結果、Aグループは作業に8時間、Bグループは作業に6時間かかりました。
――「大学生の約4割がコピペのショートカットキーを知らない」。この理由として考えられることは?
ショートカットキーなど、パソコンの使い方を適切に学ぶチャンスが、現在の大学においても、まだまだ十分ではないため、このような結果になったと感じています。
――ショートカットキーを学ぶ機会がもっと必要?
企業の教育担当者にとっては、この先20年、30年、活かすことができるパソコンスキルに投資することは、投資対効果の高い投資だと感じます。
また、大学関係者にとっては、パソコンスキルの高い学生を育成することで、より就職率を高めることができると考えます。
キーボードでパソコンを簡単に操作するための機能「ショートカットキー」。なかでも「コピペ」のショートカットキーはパソコンスキルの基本だと思っていただけに、今回調査した「大学生の約4割が知らない」という結果は意外なものだった。
今回の調査結果をきっかけに、多くの大学生が「コピペ」のショートカットキーを知り、使うようになってほしい。