ファミリーマートが、コンビニ業界初のファッションショー「ファミフェス」を開催した。
今回挑戦する「普段着使い」のアパレル品がずらりと並び、もはやコンビニ本来の「便利な店」にとどまらず、消費行動に影響を与える存在となっている。
コンビニ初のファッションショーが開催
コンビニ業界初のファッションショー、「ファミフェス」に迫った。
国立代々木競技場で行われたファッションショー。開催したのは、コンビニ大手のファミリーマートだ。
この記事の画像(16枚)2023年、初開催となった「ファミフェス」は、自社で行う“挑戦”をお披露目する大型イベント。
会場に設置された店舗には、文房具や日本酒、お菓子など、普段コンビニエンスストアで見かける商品が、“ファミマカラー”に。
“ファミマ靴下”は、オリジナルブランド「コンビニエンスウェア」の商品で、SNSで話題を呼び大ヒットとなった。
そして今回、新たに挑戦するのが――。
丹羽うらら記者:
ずらりと並んだこちらの服、すべてファミリーマートで購入できます。
上下で約7000円のスウェットに、デニムジャケットなど、アパレルショップのような本格的な品ぞろえに。
イベントではこれらの商品を取り入れた、業界初となるファッションショーも開催された。
ファミリーマート・細見研介社長:
コロナの3年間で、ファミリーマートの「コンビニエンスウェア」というカテゴリーは、ずっと成長を遂げ、お客さまから支持をいただいた。将来、コンビニのアパレルは、どこまで行けるのかという夢をコレクションにしてみた。
新型コロナで、転換期を迎えたコンビニエンスウェア。3月~10月の売り上げは、販売を開始した2年前の同じ時期と比べ、2.3倍に増加。
ラインアップを強化することで、急な着替えの際に助かる「緊急対応の衣料品」から「日常でも使える衣料品」へと衣替えを目指す。
ファミリーマート・細見研介社長:
進化をし続けていくのがコンビニの肝。これから高齢化が速い速度で進んでいく中で、その方たちに、ありあわせ・緊急需要のものでもなく、ぜひ品質の良い、好感度のものを試してほしい。お買いもの・ファッション楽しんでもらいたい。
理にかなったブランド戦略
「Live News α」では、市場の分析や企業経営にくわしい経済アナリストの馬渕磨理子さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
コンビニとファッションショー。この組み合わせ、どうご覧になりますか。
経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
「新しいチャレンジ」であるとともに、世の中がより良い方向に進んでほしい。人々に行動変容を促そうという意味では、非常に理にかなっています。
全国にリアル店舗を持つコンビニは、私たち消費者のニーズに対応しながら、その影響力の大きさから新しい価値観、ライフスタイルを提案しています。
一方、ファッションショーは、新しいトレンドやブランドのイメージを短い時間で表現して、それを訴求することができます。
「コンビニ」と「ファッションショー」は、一見すると、交わらないように見えて、それぞれの社会的な役割を考えれば、相性が良いようです。
今回の試みもそうですが、いまファミリーマートが展開している、消費者への印象を高めるブランド戦略は大変興味深いです。
堤 礼実 キャスター:
ファミリーマートのブランド戦略、具体的には。
経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
例えば、慣れ親しんでいる「パイの実」やお茶、お水でメーカーとコラボして「ファミマカラー」のパッケージに変わった物をみると、「かわいいな」と思いました。
この「かわいい」は、消費者に購買を促すポイントでもあります。
さらに、植物性由来のモンブランや、ミルク不使用のチーズなど 、“おいしさ”にこだわりつつも地球にも良いこと、役に立つことに取り組んでいます。
ファミリーマートのファンを増やして、企業としての価値が高まる可能性があります。
消費行動に与えるコンビニの影響力
堤 礼実 キャスター:
確かに、地球への優しさは、私たちの商品選びにも影響するようになりましたよね。
経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
コンビニは年間で累計170億人の人が利用していて、1日に2~3回の利用をしている方も多いでしょう。
ある意味、消費行動に影響を与える「メディア」の側面を持ち始めているのがコンビニです。
例えば、レジ袋の有料化による削減は、エコ意識を高めるきかっけになりました。
今回のファミフェスはまさに、成熟した社会における、コンビニの存在意義を伝えるものになったかと思います。
堤 礼実 キャスター:
近年、さまざまな側面でコンビニが進化を続けていますよね。挑戦し続けることで、便利なお店から1つのブランドへと、コンビニの在り方が変わってきているように思います。
(「Live News α」11月30日放送分より)