北朝鮮の金正恩総書記の娘に「朝鮮の新星女将軍」とする称号が使われ始めたことがわかった。金総書記の後継者を念頭に置いた動きとの見方が出ているが、この称号には一体どのような意味があるのか。

「朝鮮の新星女将軍」ジュエ氏に新たな称号

金正恩総書記の娘、キム・ジュエ氏とみられる少女。金総書記とともにいる姿がこれまで盛んに伝えられてきたジュエ氏に、「朝鮮の新星女将軍」との新たな称号が与えられた。金総書記の後継者とする動きが強まったとみられている。

ジュエ氏とみられる少女(左)と金正恩総書記
ジュエ氏とみられる少女(左)と金正恩総書記
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アメリカ政府系の「ラジオ自由アジア(RFA)」は、平壌の消息筋の話として、朝鮮労働党の幹部らを対象にした講演で、先日の軍事偵察衛星打ち上げを次のような表現で祝ったと伝えた。

「宇宙強国の時代の未来は、朝鮮の新星女将軍によって、今後さらに輝くだろう」

「朝鮮の新星女将軍」という、ジュエ氏の新たな呼び名には、一体どのような意味が隠されているのか。

ジュエ氏の偶像化進む

ジュエ氏とみられる娘が初めて公の場に姿を見せたのは、2022年11月に金総書記とともに大陸間弾道ミサイルの発射を視察した時のことだった。それ以降、「尊いお子さま」などの呼称で北朝鮮のメディアに頻繁に登場し、尊敬の対象として偶像化が進められてきた。

ジュエ氏とみられる娘は、11月23日にも金総書記とともに、軍事偵察衛星の打ち上げ成功を祝う宴会に出席した。

金総書記と手をつなぎ、宴会場に到着したその胸元には、どこかで見たような「NATA」というロゴがあった。青をベースに、散りばめられた星に衛星の軌道を思わせる楕円は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のロゴにそっくりだ。

宴会にはジュエ氏とみられる娘をはじめ、金総書記を除く全ての出席者がお揃いの「NATA」のTシャツ姿で出席していた。

金総書記の娘、ジュエ氏に与えられた「女将軍」とする新たな称号。ジュエ氏の曽祖父の金日成主席や父の金総書記にも、若い頃「朝鮮の新星」や「新星将軍」の称号が付けられ、偶像化が進められた。

ジュエ氏とみられる少女と金正恩総書記
ジュエ氏とみられる少女と金正恩総書記

甲南女子大学の鴨下ひろみ准教授は、「北朝鮮で星とか太陽というのは、これまでも最高指導者の尊称として使われてきました。事実だとすると、キム・ジュエ氏が後継者に非常に近いということを内外に示すという狙いがあったんじゃないか」との見解を示した。
(「イット!」11月30日放送より)

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