「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」
埼玉に対する容赦のない“ディスり”が話題を呼んだ、映画「翔んで埼玉」。その続編「琵琶湖より愛をこめて」が現在大ヒットを記録している。
「こんな田舎もんら、連れ込んだら家中がダサいたまになってしまうやないの」
そんなダサいたまの象徴として映画に登場するのが、黄色い看板でおなじみの「山田うどん」だ。
1杯370円。このシンプルなうどんを取材すると、埼玉県民の知られざる県民性が見えてきたーー。
歴約40年の埼玉県民「昔から山田うどんはコシがない」
開業58年、埼玉県内に堂々の77店舗を構える「山田うどん」。
常連客にその魅力を訪ねると、山田うどん歴約20年の埼玉県民「魅力…昔からありますからね」、山田うどん歴約40年の埼玉県民「これといって特別すごくおいしいとかっていうんじゃないと思うはっきり言って。昔から山田うどんはコシがない」といった声が聞かれた。
山田うどん営業企画部長・江橋丈広氏さえも、「山田うどんを人にすすめる時ってすごく難しくて、たぶん口に出して『すごく好きだ』って言う方、あんまり少ないと思いますね」と自虐的に話す。
味も見た目も至って普通。とりたてて褒めるところがないというのだ。
それでも…店にいた客は「結構通ってる。下手したら30年、40年なんじゃないの」、「なんとなくうどん食いたいなって気分になったら来ちゃうって感じで」と“普通のうどん”にはまっている現状を話す。
山田うどんのルーツは「学校給食」
いったいなぜ、ここまで愛されているのか?
実は、「山田うどん」の始まりに意外な理由が隠されていた。
味も見た目も至って普通にもかかわらず、58年もの間、埼玉県民に愛されている山田うどん。実は、1965年の開業と同時に学校給食に麺類を提供。
県内約160校の子供たちの食を支えてきた。
「食べ慣れてるからですかね。安心感というか」「ガキのころから。第2の我が家」
と常連客たちが同じような理由を口にするのも理解できる。
江橋氏は、「“埼玉超好きか”っていったら、嫌いじゃない感じ。(埼玉県民は)たぶん口に出して“すごく好きだ”っていう方、あんまり少ないと思いますね。山田うどんも嫌いじゃない。でも行くよみたいな方が多いと思います」
特別な何かがなくても安心できる…、山田うどんは飾らない埼玉県民の懐かしの味だった。
(「Mr.サンデー」11月26日放送より)