外国の外交官の車が日本国内で放置違反金を踏み倒したリストを、情報公開請求によってFNNが入手した。ロシアが全体の半数を超え、59%にのぼっている。
一方、国名の開示によって、アラブ首長国連邦など踏み倒しをやめる国も出てきている。

踏み倒しロシアが6割

外国の「外交官ナンバー」の車が国内で放置違反金を踏み倒した数について、ロシアが初めて全体の半数を超え、6割にのぼったことがわかった。

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FNNが情報公開請求で警察庁から入手したリストには、外交官車の放置違反金踏み倒しの国別の件数などが記載されている。

ウィーン条約に基づく外交特権で、外交官ナンバーの車が駐車違反の放置違反金の支払いを5年間無視し、時効を迎えた数はロシアのワースト1位が続いている。

その割合は、全体の46%を占めた前の年度からさらに増え、2022度は2338件と、59%にのぼった。

2番目に多い中国は638件から246件へと半分以下に減った。そして3位はカザフスタンで、エジプト、イラン、ウクライナが続いた。

一方、アラブ首長国連邦はワースト20位以内が続いていたが、支払いを行い、初めて0件となった。

FNNの一連の報道を受け、各国の駐車違反の数はこの数年で大幅に改善されているが、過去の違反金の踏み倒しについて、ロシアの多さが際立っている。

開き直りともとれる発言も

このニュースについて、外交特権問題の取材を続けてきた、フジテレビ社会部の知野雄介デスクに聞いた。

榎並大二郎キャスター:
── 国内で放置違法金の踏み倒し件数がロシアが圧倒的なワースト1位ということですが、ロシアはどう思っているのでしょうか。

社会部・知野雄介デスク:
1年前にロシア大使を直撃した際は、大使は「この数年改善している」とした一方、「間違いをするのはロシア大使館だけではないはずだ」と、開き直りともとれる発言をしていた。

長年日本に住むロシア人に聞くと、「国の代表者だから恥ずかしいと思う」と、胸の内を明かしている。

また現地ロシアで市民に聞くと、原因について、「ロシアの汚職体質だ」や「ロシア人の気質は旧ソ連時代のままだ」など、率直な声が聞かれた。

榎並大二郎キャスター:
── この踏み倒しリストは何を表しているのでしょうか。

社会部・知野雄介デスク:
各国の「法律を守る意識の差」を表していると思われる。ロシアが圧倒的に多く、全体としては「旧ソ連諸国」と「中東」の国の多さが目立っている。

一方、アラブ首長国連邦など踏み倒しをやめる国も出ていて、このように「国名の開示」が、特権悪用の「抑止」につながることを期待している。

ちなみに、紳士の国で知られるイギリスは2023年も0件だった。
(「イット!」 11月23日放送より)

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