韓国で今、体長1cmにも満たない小さな虫による恐怖が広がっている。

“吸血虫”の被害拡大 フランスでも

日本人観光客も多いソウル市・明洞の繁華街。害虫対策を行う業者の車が止まっていた。

韓国政府は国を挙げ駆除に乗り出している
韓国政府は国を挙げ駆除に乗り出している
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韓国政府が、国を挙げて駆除に乗り出しているのは「トコジラミ」。

昼はベッドやソファーの隙間など暗いところに隠れていて、夜になると吸血活動を始める。一度刺されると、眠れなくなるほどの激しいかゆみに襲われるという。

韓国では、トコジラミを意味する「ビンデ」と「パンデミック」を組み合わせた「ビンデミック」という新たな造語が生まれるほど、被害が広がっている。

新たな造語が生まれるほど被害拡大
新たな造語が生まれるほど被害拡大

韓国国民は「怖いです。消毒スプレーを持ち歩いています」「公共の場では細かく確認します。トコジラミが付着するのが気になるので」と話す。

ヨーロッパでも大量発生
ヨーロッパでも大量発生

ビンデミックは、ヨーロッパでも起きている。2024年にオリンピックを控えるフランスでは9月、公共交通機関や映画館などでトコジラミが大量発生し、政府が駆除対策に乗り出すなど社会問題となっている。

海外旅行者などの荷物に潜み移動

体長1cm以下のトコジラミは、海外から旅行者などの荷物に紛れ込んで移動するという。

日本人観光客の利用が多いソウル市内のホテルでは、客室の清掃など、トコジラミ対策を徹底していることを示す認証ステッカーを貼り、安全性をアピールしていた。韓国を旅行中の日本人は、「虫刺され用のクリームや防虫ダニシートを持ってきました」と話す。

ソウル市内のホテル。トコジラミ対策を徹底していることを示すステッカーが貼られていた
ソウル市内のホテル。トコジラミ対策を徹底していることを示すステッカーが貼られていた

“トコジラミパニック”の不安は、日本にも広がっていた。

SNS上では「韓国から化粧品買っているので、箱に虫が入っていそうで怖い」「セール始まったけど、トコジラミ怖くて買うの迷う」との投稿があった。

若者に人気のコリアンタウン、東京・新大久保で、12月に韓国旅行を計画するカップルに話を聞くと、「飛行機のチケットを取るのを迷ったくらい。もし、日本に(トコジラミが)流れてきたら怖いなって。清掃の行き届いているホテルを探すようにしている」と答えた。

床やベッドに荷物を直接置かない
床やベッドに荷物を直接置かない

専門家は、韓国に旅行に行った際はホテルの床やベッドに荷物を直接置かず、机に置くのが安全だと指摘する。

兵庫県立人と自然の博物館 研究員 山田量崇さん:
荷物をチャック付きのビニール袋に。具体的には布団圧縮袋などに入れて、荷物の中にトコジラミを潜り込ませないようにするのがいいかと思います。

「いつ日本で問題になってもおかしくない状態」
「いつ日本で問題になってもおかしくない状態」

さらに、トコジラミが日本に侵入する可能性については「私の個人的な見解ですが、すでに(日本にも被害が)広がっていると思います。いつ日本で問題になってもおかしくない状態」だと注意を促した。

(「イット!」11月23日放送より)

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