広島の街を「巨大な段ボール箱」が駆け抜ける…。これ、実は段ボール会社の広告塔のラッピング路面電車。2024年2月でその広告の役割は一旦終えるが、その前にリアルの段ボールを使った試みに挑んでいる。

段ボール風に電車をラッピングする奇抜な発想

西山穂乃加アナウンサー:
遠くから見ても、質感が段ボールなんですけど、近づいても段ボールです

西山穂乃加アナウンサー
西山穂乃加アナウンサー
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西山穂乃加アナウンサー:
え、めくれています。段ボールをビッてしたときの中の部分ですね。へえ、リアルだなあ

遊び心満点のラッピング路面電車3906号。

2021年1月から広島市の段ボール製造メーカー桐原容器工業所が走らせ、SNS上でも注目を集めた。

その「段ボール電車」が今、新たな挑戦をしている。

中づりをはじめ車内の広告が段ボールのアートに

挑戦したのは、段ボールでできた「中づり広告」。

桐原容器工業所 桐原真一郎社長:
これは電車と紅葉の街をイメージ

西山穂乃加アナウンサー:
まさに段ボール路面電車。外側から見たらこの感じですもんね。平面じゃないのも面白いですね
桐原容器工業所 桐原真一郎社長:
それがいいですよね。いいよねって自分が言うのもよくない

試作品を切り出すための「カッティングマシーン」で広島の風景を立体的に表現した。

桐原容器工業所 桐原真一郎社長:
「乗ったら中も段ボールだった」というふうにしたいんです

今までは、乗ってみると…

桐原容器工業所 桐原真一郎社長:
中は普通ですからね。そこで、一つやっちゃろうかなと思って

桐原容器では「一定のPRの役割を終えた」として、2024年2月で「段ボール電車」の運行を終了することに。

そこで、ラストランに向け、有終の美を飾ることにした。

観光客にも楽しんでもらおうと、中づり広告は「原爆ドーム」と「広島城」、それに「路面電車」「瀬戸内海」の4種類を用意し、段ボールの間に色のついた紙をはさむことで、見た目を鮮やかにした。

西山穂乃加アナウンサー:
段ボールって、こんなこともできるんだなというのが正直な感想なんですけど

桐原容器工業所 設計担当 森本愛加さん:
機械で作っているんですけど、できるギリギリのところを攻めてつくった。もうちょっと行ったら、グチャグチャになっちゃうくらいの細かさで、ギリギリを攻めました

網棚の上の広告とつり革の持ち手部分にも装飾を施し、作業開始から2時間、「段ボールジャック」が完了。

温かみを感じる車内に

横の広告も段ボールになっており、段ボールの“豆知識”も書いてある。

横の広告は「段ボール豆知識」
横の広告は「段ボール豆知識」

西山穂乃加アナウンサー:
通常は、広告用に使われている部分が、全て段ボールで埋められています。乗るだけで温かみを感じますし、外はかわいい。中は乗ってワクワク。これは最高の時間が過ごせますね

あっと驚く見た目で広島の人々に親しまれてきた「段ボール電車」。
ラストランまでの残り約3カ月は、中も外も段ボールで乗客を包み込む趣向。

西山穂乃加アナウンサー:
段ボールは、物を運ぶもの、包むものという印象だったんですけど、デザインとして散りばめられているじゃないですか。こういった使い方があったんだなと驚きました

桐原容器工業所 桐原真一郎社長:
段ボールという素材の良さや身近さ、色んな意味で優れたマテリアル(素材)だということに気が付いてもらいたいなと。最後に、せっかくなら皆さんへのお礼の気持ちみたいなものもあって、乗って、中でも見て楽しんでもらえたらうれしいですね

「段ボール電車」は2024年2月上旬まで、広島電鉄宮島線で運行されている。

(テレビ新広島)

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