島根・大田市の三瓶山にあるグランピング施設で11月4日、県西部の伝統芸能「石見神楽」の上演イベントが開かれた。施設を運営するのは大手自動車メーカーの関連会社。グランピングに新たな魅力をと企画したが、自動車メーカーならではの技術を生かし、環境にも配慮したイベントになった。

「グランピング」に新たな魅力をプラス

大田市の国立公園「三瓶山」のふもとにあるグランピング施設「グランスケープ」。

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大手自動車メーカー「トヨタ自動車」の関連会社が運営を手がけ、人気のアウトドアスポットになっている。ここで11月4日に開催された夜のイベント。

ステージの脇には4台の電気自動車とハイブリッド車が止まっていた。

車の電力でライトアップ
車の電力でライトアップ

スタッフが何やら設定し、プラグをつなぐと、ステージがライトアップされた。さらに、スピーカー、そしてステージの前に並べられたこたつも、スイッチオン。先ほどの車が電力の供給源になっていた。

やがて、ステージでは、伝統芸能「石見神楽」の公演が始まった。

「グランピング」に新たな魅力を加えようと企画された、この「夜神楽」の上演。必要な電源は全て自動車から供給する、環境に配慮した「エコな神楽」だった。

グランスケープ・高延陽介マネージャー:
自然と最新技術の融合で、国立公園の環境に優しい運営を心がけている。このすばらしい三瓶山をバックにした伝統芸能の「石見神楽」上演を企画した

この「夜神楽」のイベントには、再開された「インバウンド」需要拡大を見込んで、カナダやチリ、台湾などから12人の外国人も招かれた。海外からの観光客を呼び込む新しいコンテンツとしても期待がかかっている。

台湾からの参加者:
「グランピング」も初めてですし、神楽を見るのも初めてなので、すごく良かった。日本に来て20年くらい経ったけど、伝統のものを初めて見ました。台湾の友だちにも紹介したい

また、出演した地元の「大屋神楽社中」の代表も、「外国の方にも、国内の方にも、たくさんおいでいただいた。石見神楽がもっと有名になっていけば」と、国立公園の自然と先端技術を生かした新しい取り組みの今後に期待している。

「グランスケープ」は、今回のイベントの成果をもとに、来シーズン以降の開催や国内外の需要掘り起こしにつなげていきたいとしている。「エコな神楽」が、国立公園に新たな魅力を加えるコンテンツに育っていくのか、今後が注目される。

(TSKさんいん中央テレビ)

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